よいしょ かしわ蕎麦

北海道釧路市 よいしょ 生レバーと柏蕎麦

炭火串焼き&蕎麦 よいしょ

6時半から始まった宴会は、2次会、3次会と続き、いよいよ私もいろんな意味で限界を迎えつつあった。

「締めを食べましょう。」

外観

一緒に飲んでいた北見市民が提案する。これに美幌町民も乗っかってきた。いいだろう、私も付き合おうではないか。今日くらいはラーメンに付き合ってやっても構わぬ。いつも厳しい経営と食事をしているのだ。月に一度くらい、締めを食べたくらいで血圧が急激に上がることもないだろう。

しかし、釧路市民に案内されたのは蕎麦屋であった。

店内

メニュー

さて、何を食べようか。

メニューを見る。よくわからない。このあたりのそばの表記は独特だ。大将に尋ねた。

「かしわってなんですか?」

熱いそばつゆに鶏肉が入っていて、そこにそばを入れて食べるのだと言う。

メニュー

なるほど、それは鶏南蛮せいろと同等であろう。そのように解釈した私はカシワを食べることにした。

枝豆

お通しは枝豆。少し塩がきついのだが、なまらうまい。枝豆って、こんなにも旨味が強かっただろうか。おそらく出汁で炊いたのではないだろうか。明らかに何かが大豆本来の味わいを補強しつつ、しっかりと魅力を引き出している。

枝豆

さらに、このきつめの塩が、おそらく普通の人にはちょうどいいくらいなのだろう。

生レバー串

ここは焼き鳥もうまいと言う。レバーが生肝だと言うので、勧められるがままに注文した。焼き方を聞かれたので、何もつけずに焼いてほしいと告げる。塩もタレも要りませんかと驚かれるが、健康上の理由で塩分を控えてると話したら理解してくれた。

出てきたのは、普段食べているのとは全く異なるレバーだ。ああ、徳島の鳥ぼんを思い出す。これが本物なのだ。本来はこうあるべきなのだ。

生レバー素焼き

熱いうちに食べる。もちろん七味をつける。塩でなければいいのだ。

ねっとりとした食感、口の中いっぱいに広がるレバーの香りと味わい、ああ、美味いよ、旨い。おすすめなのは間違いない。

かしわ蕎麦

続いて私の前に置かれたのは蕎麦の入ったどんぶりであった。

え?鳥せいろじゃないの?確かに熱い汁に蕎麦が入っているから、説明とは相違ない。いや、私は熱い蕎麦を立ち食いでしか食べない主義なのだ。しかも、この白い蕎麦は更科ではないか。こんな細打ちの上等な麺を、熱い黒い液体に浸しすなど、人間のする所業ではない。この世には人としてやっていいことも悪いことがあるのだと分からないのだろうか。

かしわそば

まあいい。これも釧路の洗礼だと思い、食べてみる。

なまら熱い。

桜色のレンゲで少しずつつゆを飲む。

ああ、出汁の香りと鳥の脂の甘味、ネギの香りに七味のリッチな匂いが融合し、口の中に広がってははかなく消えていく。

やばい。こいつはやばい。飲むのは三口までだ。それ以上は飲んではならない。塩分の誘惑に負けるわけにはいかない。今までの努力が無駄になる。

自分に言い聞かせる。
衝動を抑える。
ヤバかった。

続いては蕎麦である。激しく熱々なのだ。豪快に箸でとって食べれば間違いなく火傷する。私は数本を箸で取り、ちゅるちゅると子どものように食べる。

ああ。

細くて白い更科蕎麦が黒い液体に汚されたと思いきや、香り高いスープをその身にまとって、リッチな味わいを醸し出している。つゆが薄口のせいだろう、蕎麦が負けていない。いや、むしろいいカップリングである。蕎麦にはしっかりとコシも残っている。これほど美味い掛けそばを食べたのは久方ぶりだ。

かしわそば

箸が止まらない。ハイボールで口の中をさっぱりとさせ、再び蕎麦を食べる。つゆを飲みたい衝動を抑えつつ、しっかりと味わいながら食べるのだ。

ごちそうさま

ああ、満足だ。

誰かが糖質には習慣性があり麻薬と変わらないと言っていた。塩も同様だと実感した。特に和食には塩が欠かせない。世界的にも日本人は塩分を突出して摂りすぎの民族なのだ。

明日は塩を3グラム以内に抑えよう。

私はホテルに戻り服を脱いだ。タバコ臭い。ダウンとスーツには消臭スプレーをたっぷりとかけ、裸でベッドの上に寝転がった。そのまま意識が薄れた。

寒さで目が覚めたときには風邪をひいていた。おまけに二日酔い。

バカである。

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