イスケンデルケバブ

トルコ料理Kasseria イスケンデルケバブ

愛知県常滑市でランチ 何食べる?

岐阜の出張の帰り、りんくう常滑のイオンモールに立ち寄ることにした。ランチにはどんな店があるだろうか。ネットで検索する。チェーン店が多いのは仕方がないか。

ん、トルコ料理?

世界三大料理の一つである。個人的には好きな食だ。いいね。どんな料理があるのだろうか、メニューを見てみる。一つの料理が大きくフューチャーされていた。その名はイスケンデル・ケバブ。

イスケンデル。

青く美しい、表面のほとんどが海に覆われ、陸地の少ない双子星。文明の終わりが近づき、住んでいる者はたった数名。そう、スターシア。そして対となる星はデスラー率いるガミラス星。

それはイスカンダル。

いやいや、間違いではない。イスカンダルはアレキサンダーのペルシャ語読みであるとWikipediaに書いてあった。イスカンデルも同じくアレキサンダーのトルコ語読みである。

そう、二つは同じ言葉で結びついていたのだ。

これを食べずにいられるであろうか。断然、テンションが上がる。決めた、本日のランチはこいつだ。どんな料理に出会えるのだろうか、ワクワクが止まらない。

りんくう常滑駅 トルコ料理Kasseria

美濃太田から約二時間、ようやくりんくう常滑駅に着いた。時刻は12時半。腹も減った。まずは食事だ。イスカンデルが私を待っている。

駅を降りて左手がイオンモールだ。建物の中に入るが、広い。広すぎる。目的の店は一番奥に位置している。歩いても歩いても専門店街。南風原イオンとは違うのだよ、と言われんばかりだ。幕張に引けを取らないのではなかろうか。

歩くこと10分。ようやくたどり着いた先にはガミラス星…ではなく、フードコートが…

はあ。

マジですか。私、フードコート、キライなんですけど。落ち着かないからイヤなんですけど。

だが、ここまできて一階の常滑のれん街まで戻る気力はない。何のためにたどり着いたのだ。イスカンデルに会うためだろう。

気を取り直すと、まずは席の確保だ。土曜日だと言うのにガラガラだ。新型コロナウイルスのせいなのか、もともとこんな場所なのか分からないが、窓際の明るい席を確保して店へと向かう。

ここか。

メニュー

店頭にメニューが置いてある。ケバブとカレーだ。

カウンターにはサイドメニューも置いてある。明るそうな白人のおっちゃんが日本語で声をかけてきた。

さて、何を食べようか。

いやいやいやイスカンデルでしょ。ここまできて他はないでしょ。

でも、このスペシャルケバブライスがすごく美味そうなのである。それでは何のためにここまできたのか、16万8千光年の旅が無駄になるではないか!

だが、改めてメニューを見直すとどこにも見当たらない。

「何にしますか?」

ニコニコと笑顔で圧をかけてくるおっちゃんに恐る恐るイスカンデルと告げた。よく見ればケバブメニューにあるではないか。

ほっと安心。

完成したらブザーで呼び出されるのかと思いきや、その場で待たされる。牛丼とは訳が違う。かなり時間がかかるが、せっかくの機会なので、作り方を見物した。

イスカンデルができるまで

店の奥にはチキンとビーフのケバブがどどんと鎮座している。こいつがこの店の生命線だ。

まずは丸いパンらしきものをホットプレートで焼く。これを包丁で2センチ角に切って鉄板に載せる。

続いてケバブを切る。ケバブの作り方は積層プリンタ、つまり3Dプリンタの工程に似ている。スライスした肉を積み重ねて焼く。それを垂直に削ぎ切る。たっぷりの肉を載せてけれ。

鉄板にはパンとトマトソース、その上にケバブを載せて、さらにソースと野菜をかける。これを加熱すればできあがりなのだ。

イスカンデル・ケバブ

トレイに載せられたケバブを席に運ぶ。黒い鉄板に紅白のソース。白いのはヨーグルトだ。その上には赤と緑の野菜、トマトもピーマン。

想像していたよりもショボいな。お腹いっぱいになるだろうか。

まずは肉を一口。トマトの酸味がきつい。パンチがあると言えば聞こえはいいが、日本人には強すぎる。同じ酸味でもヨーグルトはマイルドだ。

ならばと次はヨーグルトと混合してみる。パンチがかなり減少する。これくらいが好みかな。

鉄板は熱々かと思いきや、熱い程度だ。なので料理もそれほど熱くない。煮立つほどの熱さであればヨーグルトが無傷では済まないのか。いや、カレーにも入れるくらいだから問題ないはずだ。

油が弾け、ソースの雫がほとばしるくらいの熱量が欲しいところだが、それでは危なくてフードコート内を持ち運べないだろうか。

鉄板の底に敷かれたパンのようなものはビザ生地みたいだ。当たり前だ。このピタと呼ばれるトルコのパンこそがビザの原型なのである。

だが、個人的にはライスの方が合う気がする。

見た目はボリューム不足であったが、食べてみて感じた。かなりの量である。肉160グラムは伊達ではなかった。

ごちそうさま

ネットで調べたところ、本来、イスカンデルケバブとは羊肉を使用するものらしい。こいつは紛い物か。ガミラスか。

まあいい、やはりチェーン店ではこれが限界なのだろう。本場の味を振りかざして、日本人の口に合わないのでは何の意味もない。常に本場の味わいを求める私の尺度がマーケティング的におかしいのだ。

今度、本物のトルコ料理を食べに行こう。

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