五十路のグルメ【いそぐる】について

昨日は沖縄、今日はは北海道、明日は四国…出張三昧の日々。2017年より日本全国をメインに、たまに海外で出会った食事を記録したブログである。3年間で食事をした店は千軒を超えたが、ブログの記事にしたのは8割程度である。

自分が馴染みの店は記事にしない、団体で訪れた店は記録どころではない、ホテルの朝食はよほど感動的でなければ記事にしていないためだ。

人間の記憶とは曖昧なものである。しっかりと覚えているようで、実はそうでもない。加齢とともに記憶力が衰えればなおさらである。せっかく出張三昧の日々を過ごしているのだ。食べた店、料理、印象をきっちりと残したい。写真を撮ってSNSに上げて「美味しい!」だけでは面白くないのだ。

ネットにはいくつものユーザー参加型グルメサイトが存在する。だが、その評価に疑問を持つ人も少なくないだろう。私もその一人だ。コメントを読んでいても、どうも自分とは感じ方や物の捉え方が違うように思うことが少なくない。おそらく世代が違うのだろう。五十路の私とはどうもズレがある。

出張先は地方も多かった。人口が数千人や数万人の街に行くことも多かった。地方の情報は極端に少ない。食べログで点数がついていない店もざらにある。そんなときは己の勘が頼りだ。ネット情報はあくまで参考である。食事は嗜好品だ。他者が「美味くない!」と主張しようが、旨いものはウマいのだ。

地元民から紹介された店に行き、その食材と味わいに衝撃を受ける。価格を聞いてさらに驚愕する。なのに食べログの点数は低い。コメントを読むと旅行客ばかりだ。これが正当な評価と言えるだろうか。

大都市にはふざけた店も少なくない。人口が多ければ一見さんだけでも食べていけるのだろう。高くて美味しくない。接客がなってない。予約した注文と違う。世の中には客を大事にしない店もある。二度と行くものかと誓った店だってあるものだ。

忘れないように記録した。

こうして自分の眼と舌で確かめた事実を誰かに伝えたい。一番は妻だ。二番目は子どもたちだ。もちろん、多くの方々にも、食事を選ぶときの参考にしてもらえれば五十路冥利に尽きるというものだ。これが「五十路のグルメ」、略称「いそぐる」である。

今は出張もない。仕事もない。五十路の身に再就職は厳しい。失業保険に頼り、家に引きこもり、外食も月に数回。ブログの更新もままならないが、まずは過去の記録をきちんと記事にしている。

いつかまた、かつてのように人の往来が戻り、私が再び出張できる環境がそろえば、全国に住む知人らを訪ねながら、その土地の食事に改めて出会いたいと夢見る日々である。

御拝読、ありがとうございました。

令和2年 夏 ブログ主 フレイド磯路

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