うを完 会席料理

美濃太田 かも川茶寮 うを完 会席料理

美濃加茂市 かも川茶寮 うを完

仕事で美濃加茂市を訪れた。近年、この辺りに来ることが増えた気がする。5月に若くして亡くなった知人と美濃太田駅前で邂逅したのはいつのことだったか。

夕方からの会議はちょっと高級な店が会場だ。新型コロナとやらで飲食店の来客は激減しているようで、本日は貸切同然とのことだ。

店名も見て少々驚く。数日前に静岡でランチを食べた店も「うおかん」であった。そんなに一般的な名称とは思えないが、こんなこともあるのだろう。

駐車場から店の敷地に入る。ライトアップされた日本庭園が美しい。

庭園を通り過ぎると奥に玄関が見えた。落ち着いた作りだ。店構えから今夜の食事は期待できることがうかがえた。雑多な居酒屋も嫌いではないが、せっかく内地に来たのなら、落ち着いた店でのんびりと味わいたいものだ。

店内

この辺りは長良川が流れているせいか、川魚料理が有名なようだ。ウナギが美味いのも特徴だ。店に入るとテイクアウト用のメニューサンプルがずらっと並んでいた。

店内はテーブル席のフロアと宴会用のお座敷がある。テーブル席で会議を行った後に、宴会席へと移った。畳だが椅子とテーブルなのがうれしい。アンティークだろうか、しゃれた置物に目をひかれた。

会席料理

会席料理の始まりである。前菜は見た目にもおしゃれ、上品な味付けであった。もずくは沖縄産だろう。海無し県なので海産物は県外より取り寄せるほかない。

ビールの後はほとんどの酒飲みがハイボールを選択した。追加で炭酸を出してもらう。薄くして飲むのだ。こうしないと短時間で泥酔してしまう。

いつもならウィルキンソンなのだが、ここではローカル炭酸水だ。その名も「長良川タンサン」、岐阜市・伊奈波商會が製造するご当地ドリンクである。強めできめ細かい泡がのどに心地よい。

山芋のねっとりと時折りシャクシャク、ランダムに弾ける塩気と旨味はイクラ。これはうまくて面白い。

刺身はイカがねっとり、鯛もしっかりと熟成して旨味を高めてある。甘海老は鮮度がイマイチ、仕方がない、マグロは水っぽい。海なし県ゆえに仕方がない。北海道で食べる刺身と比較してはならないのだ。

山芋がうまい。やはりこの地で味わうべきは山のもの、川の幸であろう。

鍋は厚切りのカブと肉団子である。リッチな肉の出汁とカブのまろやかな食感のコンビネーションがたまらない。水菜は生かと思いきやしんなりと火が通っていた。

竹の子の天ぷらとローストビーフ。塩で味わえとのことだが、高血圧の私は塩を拒否した。そのまま食べても、いと旨し。

締めはもちろんミニうな丼。パリパリでジューシーなウナギがご飯とマッチして食欲を刺激する。するっと食べてしまった。

ごちそうさま

ラストはデザート。甘さ控えめなので五十路男性の酒飲みにも心地よい味わいだ。

海産物は少々残念だったが、この地の素材を活かした料理は抜群であった。店の雰囲気もいい。今回は15名ほどの団体であったが、一人でも、妻と二人でもゆったりと食事が楽しめるだろう。

家族連れだと微妙かもしれない。

大人の雰囲気漂う、アダルトなジャパンを静かに楽しむ店であった。

(Visited 1 times, 1 visits today)