出雲から沖縄へ
出雲から脱出する方法はあまりない。出雲縁結び空港からは、福岡、羽田、伊丹、小牧へとフライトがあるが、すべて満席だ。JRだと、岡山まで三時間。出雲に一泊して、翌日に沖縄へ帰るよりも、沖縄までの直行便が飛んでいる空港の近くに移動したい。たまたま広島県三次(みよし)市に住む井本氏が出雲から車に乗せてくれるという。翌日は空港まで送ってくれるとのこと。彼の好意に素直に甘えることにした。
3日間に渡った会議の全日程を終えたのが13時半。腹が減った。会場の駐車場に停車している井本氏の車に向かう途中、美濃加茂市民と静岡市民各1名も合流した。美濃加茂市民は、仲間が昼食を食べているので、そこで下ろして欲しいとのことだ。場所を聞くと食堂だ。「オロチそば」が名物とのこと。
蕎麦か…蕎麦好きを自認する私ですら、蕎麦はもういいかなと思ったくらいだ。蕎麦以外にしよう。なんか、海の方に美味いラーメン屋があるみたいだ。それを聞いた美濃加茂市民は、
「私もラーメンを食べる。」
と言い放ち、あっさりと仲間を切った。自分に素直な奴は嫌いではない。静岡市民は夕方の飛行機まで時間を潰したいとのことだ。
「私も三次に行こうかな。いいや、夕方までに空港に着けばいいや。」
美濃加茂市民も同調する。といったわけで、四人で海にラーメンを食べに行く。このメンバーで飯を食うのは、かなり珍しいのではないか?
道の駅 キララ多伎
Googleマップでナビをし始めてしばらくしたのちに、井本氏が目的地に思い当たった。
「ああ、あそこね!道の駅キララ多伎。」
夕日が綺麗な場所で、彼もちょくちょく行くそうだ。誰と行くのか問いただしたかったが、まだ新婚さんなので、いじるのはやめておいた。
考えてみると、水平線が見える県は限られている。太平洋側は日出ずる処、日本海側は日没する処。沖縄では太平洋と東シナ海の距離が近いため、どちらも観れるのでなんてことないが、内地だとかなり限定される。佐賀、長崎、福岡、山口、青森だ。北海道は内地ではない。夕日が海に沈むのを観れるのは、日本海側にある県だけなのだ。
ラーメン海
目的のラーメン店は道の駅の敷地の端っこにあったのだった。
店内はかなり広い。50人くらいは入れるのではないだろうか。お昼時をとっくに過ぎているので、ほとんど客はいなかった。
メニュー
店の入口にメニューが貼ってある。
さて、何を食べようか。まず気になったのがレモンラーメン。次にあご塩ラーメン。どちらにするかは店内で考えよう。サイドメニューも充実している。
レモンラーメンとあご塩ラーメンのいずれかにすることは決めていた。向かいに座った美濃加茂市民がレモンラーメンを食べるというので、私はあご塩ラーメンをチョイス。さらにサイドメニューにチャーハン、餃子、小籠包、蒸しエビギョーザをオーダーする。人数が多いので、色々食べられるのが嬉しい。
レモンラーメン
本当にレモンが載っている。味の方は食べてないのでわからない。美濃加茂市民は3分の1ほど食べて「ごちそうさま」と丼ぶりに謝っていた。
あご塩ラーメン
まずはスープから。あっさりしてるのにコクがある。荒れた胃に優しく胃にしみる。麺は柔らかめ。具もあごのちくわにネギともやし。あくまでもあっさりだ。ちなみに、「あご」とはトビウオのことだ。
餃子
普通に美味かった。特徴のある餃子でおいしいものって記憶がない。餃子はノーマルが一番だ。
小籠包
鼎泰豊で食べつけてる私には厳しい味だった。蒸しエビ餃子は私の口には合わない。
チャーハン
まあまあ美味かった。
ごちそうさま
人数が多いと、食事しながら会話が弾むので、なかなか味を記録することができない。画像を記録できただけでもOKだ。景色がいい、絶景だ。そして塩ラーメン。出雲で有名なのはしじみラーメンだが、ここのラーメンも嫌いではない。
ぜひとも家族と夕陽を見ながら、食べに来てみたいと思ったのだった。
ラーメン海
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)