ベトコンラーメン
この日、最初の店を探している時に気になった。「ベトコン」とは「ベストコンディションラーメン」の略であり、ベトナム人とはなんら関係がないのだが、これを「ベトナムラーメン」と呼ぶ人もいるそうだ。
ネットで調べてみると、発祥は岐阜市もしくは尾張一宮市。現在では愛知と岐阜一帯で提供されているが、ピンポイントでメニューに入れてる店が全国に点在してるそうである。それで、あちこちにポツンとベトコンラーメンがあることに納得。
さらに、元々は南ベトナム解放戦線のベトコン兵の勇猛果敢なイメージから名付けられたそうだが、戦争激化に伴ってベトコンという名称が問題となり、当時、このメニューを食していた客が「食べるとコンディションが良くなる。」と語っていたことから、今ではベストコンディションの略ということになっているそうだ。
考案されたきっかけも、店主が疲れていた時に職人がにんにくと唐辛子でラーメンを作ったのがきっかけだそうだ。
詳しくはこちらに書いてある。
居酒屋ikkiから地元のスナックに連行され、店に入ると、そこには大量の知人らが泥酔していて、もう訳がわからないことになっていた。仕方ない。飲むしかない。覚悟を決めて飲み始めるも、気がつけば時計は午前1時前だ。幹事役に具申する。
「もう午前1時前だ。明日は朝9時から会議だから、今から帰っても6時間しか眠れない。」
「ええ、まだ6時間も眠れますよね。」
幹事役が、しれっと答える。そうやって、毎回、翌日になって後悔するのに、なんで酔っ払いは学習できないんだ?だが、幹事役は思うとこがあったらしく、すぐに場を締め始めた。
帰れる。
やっと寝れる。
ベッドに入って小さな幸せを噛みしめることができる。
ドアを開けて帰ろうとしたその時、後ろから私の腕をつかむ者がいた。幹事役だ。彼は私を見ると、ニコッと笑って、事務的に宣告した。
「ラーメン食べに行きましょう。」
マジか?
「ベトコンラーメン美味しいんですよ。」
地元民が畳み掛けるように追い打ちをかける。
太田飯店
地元民によると、この店のおすすめは次の料理だとのことだ。
- もやし炒め
- キクラゲとトマトの玉子炒め
- ベトコンラーメン
すでに全部頼んだって?そんなに食えるかなぁ。
まずはもやし炒め。うん、美味い。シャキシャキのもやしがいい。ニラの香りと玉ねぎの甘みが引き出されていて、味も濃すぎない。これ、おそらくベトコンラーメンの具だと思う。
そしてキクラゲとトマトの玉子炒め。キクラゲの玉子炒めは中国ではメジャーな料理だ。キクラゲのコリコリ感がいい。玉子とトマトは相性がいいから、これまた美味い。
さあ、来た、ベトコンラーメンだ。唐辛子はそれほどきいてない。唐辛子そのものを食べてしまうと辛いが、にんにくスライスがたっぷり入った醤油ラーメンというか、湯麺。麺は中太縮れ麺。これもまたもやしがたまらん。美味い。
これだけベロベロに酔っていて、なぜ味がわかるのか、不思議に思われるかも知れない。その通り、この日はベトコンラーメンがやたら美味くて、完食したことしか覚えていない。実は、翌日にも食べたのだ。この店はスナックビルの一階にあるので、近所のスナックなら出前してくれるのだ。
出前には餃子と麻婆豆腐が追加されていた。どちらも普通にうまかった。ただ、麻婆豆腐は花胡椒が入っていない、中華のメニューなので、ちょっとがっかり。私は本場四川風の方が大好きだ。
思いもがけぬ形で味わうことになったベトコンラーメン。これなら自宅でも作れるな。沖縄の夏は長いから、機会を見て作ってみようかな。
あ、けいたまが食べれないじゃんか。あうう。
太田飯店
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)