初めての美濃加茂
岐阜県美濃加茂市。この土地について私が知っていることは、市長が若いということくらいだ。その市長は検察と戦っていて、最高裁まで争ってるということもニュース記事で読んだことがある。さらに、2年前に岐阜市内で開催された宴席で、なぜか私の隣席が美濃加茂市長だった。昨年末に名古屋高裁で逆転有罪判決が出たものの、最高裁に上告し、さらに辞職して出直し選挙で再当選したという強者だ。
美濃加茂市の中心となる駅は高山本線、美濃太田駅。「美濃加茂」という駅は存在しない。駅前にはシティホテル美濃加茂とルートイン美濃加茂があり、アクセスは便利だ。宿泊はルートイン。ポン太カードを登録すると、今後はどのルートインでも、カードを出せば宿泊カードの記入が不要だとのこと。
便利だ。
早めにチェックインして仕事を済ませ、一段落した時には午後7時を回っていた。
さて、なにを食べようか。
まず、美濃加茂について知識はないことは最初に述べた。食べログの情報も乏しい。こういう時は、己の勘を信じるのみ。街へ繰り出す。
夕暮れ時なのだが、やたらと鳥が多い。いや、多過ぎないか?電線にはびっしりと鳥が停まっている。フンでも浴びたら悲惨だ。下を見ると歩道には白い筋がびっしりと残っている。交差点に至っては…
シャレにならん。
繁華街には飲み屋がある。飲み屋顔といえばスナックだ。Googleマップで当たりをつけたスナックを目指す。
見つけた。
スナックが一軒だけ。
マジか?ここが繁華街?
キッチン ニトロ
途方に暮れながら、妻に「店がないナウ。」とメッセージを送る。
トンカツ屋を見つけるが、昨日も食べた。カラオケ居酒屋はなんか違う。仕方なく、駅に向かって歩く。気がつけば、鳥が群れてる交差点に後戻りだ。そこから駅に向かうと、ちょっと洒落た店を見つけた。
「キッチン ニトロ」
要チェックだ。
向かいは焼肉屋か…今日はいいや。さらに歩くとベトコンラーメンの文字が。
うーん。
ニトロに行こう。道を戻り、チェックしておいた店のドアを開けた。
中はカウンターのみ。客はひとり。マスターが一人でやっているダイニングバーのようだ。話を聞いていると、客はマスターの同級生のようだ。お!この店のビールはモルツだ。プレミアムではないモルツだ。
嬉しい。
早速、ビールを頼む。
食べ物のメニューは壁に貼ってあるだけのようだ。
ここから3品をチョイス。
茹で豚と水菜のピリ辛ごま冷しゃぶサラダ
まずは茹で豚と水菜のピリ辛ごま冷しゃぶサラダ。ゴマだれとトマトの相性が抜群。葉野菜もパリパリ。肉もクセがなく臭みもない。あまり肉肉しくない。豚ロースなんだけどなぁ。あっさり。
食べ終えた。次の品がまだ出てこない。10分ほどしてカプレーゼが出てきた。パジルの香りよく、美味い。美味いけどバジルが少ない。、ブロックタイプのかぷれは始めただ。沖縄ならバジルが安いのに。トマトはそれほど甘くないが酸味もなく、これが妙にチーズとオリーブオイルにマッチする。
ビールを飲み終わったので、白ワインを飲む。最初にいたひとり客が帰り、アラサーの男女二人組が店に入ってきた。話を聞いていると、地元の小学校の教師のようだ。
次のオーダーがなかなか出てこない。後で地元の知り合いから教えられたのだが、ここのマスターは仕事が丁寧で時間がかかる。パスタをお湯に入れたら、鍋をずーっと見ている。途中でドリンクの注文が入っても、パスタができあがるまではドリンクも作らない。だから、料理はうまいのだが、お腹が減ってる時に行ってはいけない店なのだと。
物は言いようだな。
ほっぺた落ちる手作りクリームコロッケ ベニズワイガニ
やっと出てきた。「ほっぺた落ちる手作りクリームコロッケ ベニズワイガニ。」名前が長い。
かりふわ。白ワインが合う。ちょっと味が濃い目だ。カニというより、ベーコンの味が強いように感じる。トマトソースはよくあってる。タルタルは味が薄めでクリームの塩気に負けている。喉が乾く。
「まだ若いのに、頑張ってるよね〜」
店内の客は市長の話で盛り上がっている。美濃加茂市長はまだ32歳で二期目だ。しかも三回の選挙で当選している。
ゆっくり食べたせいなのか、腹がいっぱいだ。時計を見ると8時半。北海道から向かっている知り合いがここに着くのは9時20分だ。
申し訳ない。もう眠いから、ホテルに戻って寝ます。許してください。
キッチン ニトロ Facebook
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)