海鮮丼

北海道苫小牧市沼ノ端 郷土料理 福寿衣 海鮮丼

郷土料理 福寿衣

沖縄ではウークイと呼ぶお盆最終日、朝イチの便で関空乗り換えの千歳行き。北海道に着いたのは午前11時半。ここからレンタカーで浦河町まで向かう。道中でランチを済まそう。

さて、なにを食べようか。

この辺りで有名なのは鵡川のシシャモだ。残念なことにシーズンは秋なので、今は食べられない。ならばその前後に店はないだろうか。ネット検索する。

あった。

苫小牧の東、沼ノ端に海鮮丼の美味い食堂があるとの情報を見つけた。

これだ。

病み上がりの体には栄養が必要だ。滋養が欠かせない。こいつを食べて、完全体を取り戻そうではないか。カーナビの目的地をここに合わせて車を走らせる。

着いた。ここだ。

メニュー

車を停めて、店に入る。カウンター席に通される。念のためにメニューを見るが、サクッと海鮮丼を選択。そのために来たのだから。

魚の唐揚げか天ぷらを揚げているようだ。唐揚げだ。夜の仕込みだろうか。

一組の客が帰ると店内は私だけになった。テレビのバラエティ番組の音が響く。ルパン三世の新作で上川隆也が敵キャラの声優を務めるらしい。これってAmazon創業者のジェフ・ゾベスがモデルじゃないのかな。見た目は短髪のリチャード・ブロンソン?

「お客さんは食べ物屋さんやってるの?」

唐突に大将に聞かれた。

「いえ、やってません。不動産です。沖縄の。」
「そうなんだ。景気どう?」
「バブルですね。」
「そうか、この辺りも沼ノ端はあまり部屋が空いてないって…」
「すいません、沖縄の不動産屋です。」
「今年は沖縄も暑かったんじゃないの?」
「いえ、内地の方が暑いです。」

会話終了。

海鮮丼

ほどなくして海鮮丼が目の前に置かれた。散らしてあるのは筋子。イクラではなく筋子。珍しいが、筋子好きな私にはこちらの方が嬉しいかも。

よし、食べよう。

まずはエビから喰らう。こいつ、味噌が甘いぞ。新鮮な証拠だ。でかくて身がプリプリ。もちろん本体も甘い。味噌とはまた違った味わいなのだ。ししゃもは、これ、カラフトししゃもだよね。少し苦い。カニの身も甘い。タコも美味い。箸が止まらない。

ホッキ貝、香りよく、甘い。食感がいい。ホタテはねっとりしている。これまた甘いが、ホッキ貝の食感とは違うよさがある。柔らかい。貝類の刺身を硬度順に並べてみると、こんな感じか。

  1. つぶ貝、アワビ、さざえ
  2. ミルガイ、赤貝、シャコ貝(沖縄)
  3. トリ貝(生)
  4. ホヤ、ホッキ貝(生)、青柳
  5. ハマグリ
  6. かき、ホタテ

漬物は薄味だ。これがまた、刺身に合う。味噌汁は海藻がコリコリして美味い。ツマによく使うやつだ。マグロはこんなものかな。

焼き鮭の身には、何も味が付いていない。塩もかかっていない。そのまま食べるとなんとも味気ない。それを筋子をのせて食べれば、塩気が鮭の潜在力を引き出す。

美味い!

ハラミとカマが載っているが、ハラミが断然美味い。白身の魚は何だろう。脂がのっている。

ごちそうさま

満足じゃ。トイレは和式だった。仕方ない、どこかコンビニで用を足すことにしよう。

店を出て、車を浦河に向けて走らせる。目の前に巨大な建物が見える。セメント工場だろうか。地図で調べると苫東厚真火力発電所とある。しかしデカイなあ。

十日後、この発電所が全国的に有名になるとは、このときカケラも思わなかった。

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