はらぺこダイニング
那覇で搭乗した飛行機が羽田に着き、モノレールで浜松町へ向かう。現在時刻は午後一時。やっと食事ができる。ランチタイムのピークは過ぎた。14時からの会議に間に合うように食べねばならぬ。
さて、何を食べようか。
気分的にはガッツリ食べたい。麺は無しである。今日は刀削麺にも心ときめくこともない。生姜焼きもワンパターンだろうか。何気に歩く芝商店街。
をうふ!
私の目の前に現れたの一つの看板に目を奪われた。
激辛に反応するもチキン南蛮か。あれって辛さを追求する料理なのか、それよりも豚ロースの生姜焼きに惹かれる。豚バラ肉のミルフィーユカツも捨てがたい。
ふーむ。
とりあえず店に入ろう。階段を上る。
相変わらず殺風景な入口だ。このドアの向こうに華やかな飲食の世界があるとは想像できない。ドアを開けると、うっ。
タバコの匂いが鼻に付く。13時からはテーブル席に限り喫煙可能なのだ。
店内はそこそこ混んでいた。相席に案内される。座れるだけありがたい。13時からのメニューにも心動くが、やはり初心貫徹で豚ロース生姜焼き、ライスは大盛り無料なので、ついつい大盛りと言ってしまった。もったいない精神の悪い例だ。
食事を待つ間、急なスケジュール変更に頭を悩ます。明日はゆっくりと東京で仕事をするつもりでいたのだが、明日の夜に急遽、北海道は上砂川で会議である。昼までは東京で会議なので、その後、新千歳まで飛び、電車で二時間、その後タクシーで15分である。
豚ロース生姜焼き定食
さて、私のランチが運ばれてきた。メインにごはん、味噌汁、小鉢に漬物。一汁三菜、まさに和食の基本である。個人的には、もっとたくさんの野菜が欲しいところだ。野菜繊維が不足すると便秘になる。出張中はなりやすい。自宅では多量の生野菜を摂取するので、ありえないのだ。
味噌汁は揚げ、大根、人参に薬味ネギと具沢山だがぬるい。出汁も効いて、塩加減もいいくらいなのに残念。残念の極みである。自宅ならば、躊躇なく電子レンジに入れて温めているだろう。冷奴は豆腐の味が濃い。ごはんに合う。ひじきの煮物も出汁が効いて塩分控えめ。ヘルシーだ。好みの味付けだ。小鉢に入っている薄味の野菜付け合わせは、漬物というよりもサラダ感覚だ。ほんのりと味付けされているので、野菜の味をダイレクトに味わえる。
いいねえ。ごはんが進む。
長ネギの青い部分と炒められた豚ロースは、しっかりとした味付けで生姜がきいている。肉の旨味がご飯にマッチする。青のネギと赤い紅生姜をのせると見た目にも美しい。味もアクセントが加わって食欲が加速する。ご飯を大盛りにして正解だ。
濃いめの味付けが食欲をさらに刺激する。やわらかい肉と一緒にガッツリとご飯を食べる。至福だ。タレが美味だ。自家製を謳うだけのことはある。肉の臭みをしっかりと消して、素材の旨味を引き出している。生姜の効能は絶大だ。
ごちそうさま。完食である。
だけど、やはり生野菜は食べたかった。どうして日本の食事は野菜が少ないのだろうか。こんな食事ばかりでは大腸がんになるぞと、思わずにはいられないのである。
※大腸がんと野菜の摂取量に因果関係は認められていません
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)