札幌味噌ラーメン みのや
昨今、国内の宿泊料金はどんどん高額になっている。全国的に上がっているのではなく、特定の都市に偏っているように感じる。東京、京都、大阪、福岡、そして、ここ札幌もホテル価格が年々上がっている。
インバウンドによる外国人旅行者の増加のためとも言われているが、大きなイベントがあればホテルはすぐにいっぱいだ。今回もホテルを取るのに苦労した。エグザイル系のライブがドームで開催されるためなのか、ホテルがなかなか見つからなかった。ようやく取れたのがススキノのアパホテル。普段なら六千円で泊まれるのだが、今回は二万円近くした。
ホテルにチェックインした後に、懇親会場に向かう。場所はススキノ交差点。セミナーのスタッフは全員が沖縄から来ている。そのために札幌には二泊することになる。ホテルからしばらく歩いたところに、気になるラーメン店を見つけた。うまそうな気がする。いつもならここで食べログを検索しそうなものだが、見た目にうまそうなオーラが漂ってるので、あえてしなかった。
翌日、会社まではすすきの駅から大通駅で東西線に乗り換えなければならない。駅までの途中で、気になるラーメン店の前を通る。やはり美味そうだ。食べてみたい。
出張一日目、開催したセミナーは一回目ということもあり、ぎこちない場面もあったが無事に終わった。片付けてからホテルに戻る。そして、ススキノ交差点近くの懇親会場に向かう。何度も何度も当該ラーメン店の前を通り過ぎる。気になって仕方がない。
二日目の夜は、北の海の幸と日本酒で打ち上げだ。初日は私が勧めるほやを全員がおそろおそろ食べていたが、二日目はホヤと日本酒を積極的に楽しんでいた。その後は綺麗どころの店に繰り出した。さんざん飲んで食べて、楽しい夜を過ごし、各自、解散となった。
ススキノからホテルに帰るのだから、当然、例のラーメン店の前を通る。明日は午前便で沖縄に帰るから、おそらくこれがラストチャンスだ。幸い小腹も減っている。私は躊躇せずに、ドアを開けてラーメン店に入った。
メニュー
まず、この店の「焙煎」が気になった。焙煎、ばいせんと読む。パイセンではない。意味は「乾煎り」、英語ではロースト。いわゆる「焼き味噌」と思ったが、あれは油で味噌を炒める。豚の背脂で炒めた味噌は沖縄名物「あんだんすー」だ。直訳すると「油味噌」、最近は「豚味噌」と名付けているメーカーも少なくない。
焙煎なので、フライパンや中華鍋で味噌をそのまま焼いて、風味を出すことなのだろう。さあ、見せてもらおうか、その「焙煎の真髄」とやらを。焙煎味噌ニンニク仕立てラーメンを食べることにして、オーダーする。
焙煎味噌ニンニク仕立てラーメン
おお、見た目は美味そうだ。まずはスープから。ニンニクは効いてるものの、脂控えめで胃に染み渡るスープ。いいね。次は麺だ。これは西山ラーメンか。独特のコシがある縮れ麺に、いい感じにスープが絡む。ネギはシャキシャキ。メンマもシャキシャキ。美味い。チャーシューは硬めだが、いい意味で昔ながらの味がする。厚みを三分の一ほど薄くしたら、もっとファンが獲得できるように思う。脂の甘みが最後まで残る。美味い。
食が進む。ラーメンは熱いうちに一気食いだ。血糖値を気にしながら食べるものではない。そもそも私は糖尿でもない。肥満気味なだけだ。スープはコクがあるがくどくない。深い旨みが食欲をそそる。一口、つい一口と飲んでしまう。気がつけば、久しぶりにスープまで飲み干してしまった。
完食だ。
気持ちも胃も満足して店を出た。また食べに来たい一品だ。
後日、なんとなく食べログで調べてみたら。なかなかの高得点だ。私の目に狂いはなかった。やはり直感は大切だと、改めて実感した。
札幌味噌ラーメン みのや
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)