天保二年創業の店
今回の出張は県外不動産セミナーの最終回だ。札幌、仙台、東京(欠席)、福岡と続いた出張もこれが最後のはずだ。正確に言えば、年明けに香港でセミナーを二回開催する。国内セミナーのスケジュールは毎回同じだ。5回目ともなると、全員に余裕が感じられる。リハーサルも略式だ。そして、私はランチにとある店をターゲットに決めていた。
その店は「たこ竹」。箱寿司の専門店である。しかも会社から近い。これはぜひにも食べにいかねばならぬと心に決めたのだが、福岡みたいに並んでいたら話は別だ。そしてランチの時間。各自銘々に食事に行くことになった。私は役員の一石さんと大阪支社の社員である真岡さんの三人で食事に行くことになった。たこ竹に行きたい旨を告げると、真岡さんが有名なのは知ってるが行ったことがないと言うので、すぐに話は決まった。
メニュー
箱寿司専門だと思っていたら、普通の握りもメニューにある。
箱寿司は一人前6切れ。持ち帰り用は9切れという。3人なので、チラシを小さくして3人分に分け、箱寿司を一人三貫にしてくれるという。嬉しい心遣いだ。カウンターでちらし寿司を作る大将を見ていると、タッパーに仕込まれた何かを遮二無二どんぶりに詰め込んでいる。何だろう?
チラシ寿司
そうして出されたちらし寿司は見た目に美しい。ご飯の上に海苔を敷き、詰め込んでいたものの正体は錦糸卵だった。赤紫蘇の芽に山椒の緑が映える。
三つ葉のシャキシャキがアクセントだ。これは美味い。これの三倍が一人前ということは、結構なボリュームではなかろうか。箱寿司も美味いのだが、ちらし寿司の前には霞んでしまう。いや、いいのだ。私の目的は箱寿司を食べること。その上に、こんなにも美味いちらし寿司が食えたのだから、ありがたい話なのだ。
大阪寿司
箱寿司に巻物がセットになったものだとのこと。
お吸い物
これはお吸い物が飲みたくなる。迷わずオーダー。なかなか出てこなかったのだが、おわんの蓋を開けると、ふんわりとゆずの香りが匂い立った。上品なお吸い物はえのきと麩と小タイの半身が入っている。豪華で締めにふさわしい。
「最近はこんなこまいタイがぎょうさん入ってきよる。嫌いやわ。」
当年80歳の女将さんが困ったような顔で解説してくれた。大将が続ける。
「お吸い物は白身を使うでしょ。赤だしならカンパチやブリみたいな脂がのったのを使った方が美味いからね。」
大将が解説してくれた。
このはオフィス街なので、普段は人通りも多く、店も混雑するらしい。たまたま祝日で、人が少なかったのでゆっくり食べられたようだ。支店のすぐ近くなので、これから行く機会がまだまだあるだろう。次回は一人でチラシを食べるか、店頭に書いてある季節の寿司を食べるのか、いやいや蒸し鮨もうまそうだな。悩ましいところだ。
(後記:残念なことに、現在は閉店してしまったようである。)
松屋町 たこ竹(食べログ)
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)