岐阜駅 なまずや分店 うな重

岐阜駅 なまずや分店 うな重(上)

岐阜駅ランチ

会議の開始が12時半という、これまた中途半端な時間であるので、ランチを早めに済まさなければならなくなった。岐阜市内の繁華街は柳ヶ瀬であって、岐阜駅からはだいぶ離れている。名鉄岐阜駅ならば店もたくさんあるのだが、JR岐阜駅は、南側には有名なソープ街である金津園、北側はもともと繊維問屋街であったらしい。

JR岐阜駅前の再開発されたビル群

再開発されたためか、駅前にはホテルや公共施設、オフィスビルが立ち並ぶのだが、一歩路地に入ると、昔ながらの寂れたビルや商店街に出くわす。なので飲食店は少ない。ビルの中にテナントで入っているレストラン等は総じてネット上での評価が低い。なんだか分かる気がする。

再開発された駅前のすぐ裏側

昨晩、夕食を求めてホテルから寂れた街並みを散策してみた。何軒か昭和の香りが残る店を見かけた。どれも行く気にはなれなかった。そこから駅に向かう途中に見つけたのが、川魚料理の店だ。昨晩はうなぎを食べる気にはなれなかった。時間があれば街中の有名店に行く選択肢もあったが、この店で手を打つことにした。問題は、うなぎを注文してから出てくるまでに、どれ程の時間がかかるかである。

まずは店に向かうことにしよう。

なまずや 分店

ホテルから歩いて数分、道路の奥にその店は見えた。駐車場にはそこそこ車が停まっているが、店内に入ると客は一組だけだ。

「お好きな席にどうぞ。」

遠慮なく、四人掛けのお座敷テーブルを陣取ることにした。

メニュー

さて、何を食べようか。メニューを見る。ランチメニューはごちゃごちゃしていて嫌だなあ。

定食も同様の理由で却下。

丼かまぶしか。石焼まぶしもそそられるが、ここは岐阜だ。名古屋ではないのだ。そもそもひつまぶしの発祥は三重だ。

おお、うな重があるではないか!これですよ。うな重上を食べましょう。

うな重(上)

15分ほどで出てきた。表面はカリカリに焼けて焦げが香ばしい。やや小ぶりのうなぎは臭みなく、身はそれほど厚くないが、ほどよく脂がのっている。皮は薄い。これぞ日本のうなぎだ。

初手から山椒をかけて食べる。たれは甘さ控えめ、うなぎの味を邪魔しない。ご飯は一粒一粒が立っている。しっかりとたれが染み込み、うなぎの味わいをサポートする。くどくない、さらっとした、後味の良いうな重だ。がっつり食べたい人には物足りないかも、かと言って年配者には少しくどいかも。中年にターゲットを絞ったうな重なのだと妄想する。

ご飯とうなぎの量もバランスよい。漬物も塩気が控えめで、うなぎの味とマッチする。ああ、美味い。私にはちょうどいい。

タレにつけて焼いたうなぎをご飯にのせただけのシンプルな料理にもかかわらず、人によって好みが激しく変わる食事でもある。タレの甘い辛い、うなぎの脂ののり具合、関東風か関西風かの調理方法、ご飯の炊き具合、そしてうなぎとご飯のバランス。美味いか不味いではない、好きが好きではないかの違いとなる。

もちろん不味いうな重も存在する。生臭かったり、皮が厚い外国産であったり、素材や調理法に問題があれば、すぐに味や食感に現れるのがうな重なのだ。

ごちそうさま

トイレは温水洗浄便座である。これは嬉しい。

ああ、美味かった。人によって評価は分かれるのだろうが、この店の鰻は私の好みと体調にピッタシとハマった。体調とは、日々のものではなく、年齢的なものだ。十年前に訪れていたら、これほど美味しいとは感じなかったかもしれない。人に勧めても、さほど美味しかったと言われるかもしれない。なんせ私の周囲は、霜降り和牛の脂がきつくて食べられない、などとのたまう、若年寄が多数存在するのだ。

お座敷もあり、駐車場も広くて駅からも近い。いつか家族で訪れたい店だ。

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