ロシア料理 東京ゴドノフ
本日の打合せは14時に丸の内。飛行機が羽田に着いたのは午後一時前。これは丸の内で食事をするしかあるまい。
でもなあ。
ランチ高いし、気合入ってる店が多いし、気軽に食べられる店が少ないんだよなあ。フードコートは落ち着かないから嫌だしなあ。それに、丸ビルはエレベーターがやたらと混む。あれ、何とかならないものか。
京浜急行で三田まで行き、三田線に乗り換え大手町下車。丸ビルまで歩く。最近は仕事でこの辺りに来る機会が増えた。丸ビルでも何度か食事をしている。
さて、何を食べようか。
5階フロアを歩いて目に入ったはロシア料理。いまいちメジャーではないが、個人的には好きだ。子供の頃、母がよくボルシチを作ってくれた。那覇にもペレストロイカという店がある。一度しか行っていないが、美味かった。なのに足が向かない。なんでかな。今度、行ってみよう。(※閉店しました)
ビーフストロガノフの由来にまつわるエトセトラ
ランチメニューは三択だ。鶏肉1200円、豚肉1400円、牛肉1700円。すべてストロガノフである。
え?
ストロガノフって、ビーフだけではないのか。調べてみる。
衝撃の事実。
ビーフストロガノフの「ビーフ」は牛肉のことではない。
なんだってええええええ!半世紀も生きてきて、知らなかった。初めて知った。知ってしまった。
これ、トリビアじゃね?まて、こういうのはきちんと検証してみるべきだ。でもさ、この情報はフンドーキンのHPに書いてある。そこらの文責不明のサイトではない。同じ内容を書いている雑学サイトも見つけたが、訳が違うぞ。私は大学時代、工学部にもかかわらず、第三言語まで履修した。ロシア語だ。さっぱり理解できなかったが、文字を読むことはできるし、単語も10個ぐらいは覚えている。普段はまったく役に立たない知識だが、CCCPを「エッセッセール(ルは巻き舌)」と読むことはできる。昭和世代ならオリンピックで見覚えがあるだろう。CCCPはロシア語で「ソビエト社会主義連邦共和国」の略だ。キリル文字のCは英語のS、PはRだ。
で、調べてみた。ロシア語では「Бефстроганов(ベフストロガノフ)」と発音する。この「ベフ」が「~流の」という意味だと主張している。だが、これをフランス語に訳すと「Bœuf Stroganoff」。Bœuf(ベフ)は牛肉のことだ。英語で言えばビーフだ。結論付ければビーフストロガノフのビーフは牛肉のことだ。
さらに調査を進める。ロシア語で検索だ。ほう、ビーフストロガノフの別名に「мясо по-строгановски」というのがある。翻訳すると「ストロガノフ流の肉」となる。「по-」が「~流」という意味だ。こいつと混同したのだろう。
雑学事典の主は、どこかで聞いた話を検証もせずに掲載しているわけだ。だからネットは恐ろしい。いい加減な情報に惑わされないように、誰もがネットリテラシーを高めなければならないのだ。
閑話休題。
で、なんとなく美味そうに感じた、チキンストロガノフをチョイスする。
店内はなかなかおしゃれできれいだ。白が基調の内装は個人的にも好感が持てる。
チキンストロガノフ
まずはボルシチが供された。刻んだ野菜がたっぷり。トマトと出汁と独特の香りが、これがビーツか、滋養のあるあじわいだ。野菜もクタクタに煮えている。久しぶりに食べた。北海道出身の母が子供の頃、たまに作ってくれた覚えがある。
続いてはチキンストロガノフだ。鶏肉が柔らかい。クリームソースの味付けと香りが秀逸。コクのあるバターライスはくどくない。クリームソースとの相性が抜群。
ボルシチと並べれば赤と白のコンビネーション。クリームソースの香りはなんだろうか。わからない。バター多めなのか?サワーなのか。
付け合わせの刻みピクルスがまたいい。まったりとしたクリームとコクのあるバターライスに、シャクシャクとした食感がアクセントを加え、ピクルスの香りが鼻を抜ける。酸味が口の中に爽やかさを広げるだけでなく、鳥とライスのコンビネーションに深みを与える。まさに名脇役、カレーの福神漬のようだ。
ああ、ボルシチをメインで食べてみたくなった。また別の機会にロシア料理を食してみよう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)