うめもと
社宅に泊まると朝食がない。どこかで食べることになる。昨晩、部屋飲みしたせいか、汁物が飲みたい。十時半から東京駅で待ち合わせと打ち合わせがあるので、とりあえずJRに乗る。八重洲改札口を出ると、迷わずにヤエチカに向かった。
さて、何を食べようか。この時間に空いている店を探す。
カフェ。いらない。
カレー。重い。
蕎麦。かなあ。
梅本、以前にも食べたことがある。味がいい感じの店だった。よし、朝はソウルフードにするぞ。立ち食い蕎麦だ!
メニュー
自販機で立ち尽くす。どれを食べればいい。かき揚げもいいのだが…お、春菊天、いいねえ。ちくわ天を追加しようか…うーん。多すぎるかな。玉子は必須だ。買った食券をカウンターに差し出す。
私の後に食券を出した客に店員が声をかける。
「ただ今、蕎麦を茹でてますので少々お時間いただきます。」
え?
私はそんなことを言われなかった。つまり、彼らは茹でたてを食べることができるのだと。私の蕎麦は時間が経ったものなのだと。
少し残念。
ああ、そうだ。この店は生麺を使っているのだった。
春菊天そば
カウンターの前で自分の蕎麦が出てくるのを待つ。お冷はもちろんセルフだ。あ、出てきた。入口側の席に持ち帰る。
まずはつゆを飲む。カツオの効いた辛口のつゆだ。
ああ、生き返る。
次に蕎麦だ。細い麺だ。デポで温めるだけの立ち食い蕎麦だと、コシがなくてブツブツ切れてしまうから、どうしても麺が太くなる。生麺ならではなのだ。七味をかける。つゆを飲む。ああ、ゆずと香辛料の香り鼻を抜ける。案外食べ応えのある春菊天、これも香りがなかなかいい。春菊は大好きだ。卵の黄身は潰さず、一気にぐいっと食べるのだ。
甘い。
残りの蕎麦と天ぷらを一気にかっこむ。これ、炭水化物率が高いよな。せっかくの貴重な機会を立ち食い蕎麦で済ませていたものなのか。いや、これは私のソウルフードなのだ。これでいいのだ。
梅もと
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)