春キャベツ
秋田からの飛行機が濃霧のために遅れたせいで、会社に着く時間も大幅に遅れた。いつもながら思うが、東京モノレールのWiFiは使い物にならない。繋がるだけ迷惑である。時間はお昼前。朝飯はきりたんぽを軽く食べたくらいなので、腹がへった。
さて、何を食べようか。
浜松町でモノレールを降りて、一階のレストラン街に行くが、いまいちピンとこない。ならば会社への道中だ。野菜をたっぷり食べたい。野菜…と言えばとんかつ。ああ、一軒、以前から行ってみたい店があった。春キャベツ。店は決まった。
メニュー
店の前で本日の日替わりのを確認する。メンチカツとロースカツ。美味そうだな。店内に入り、手前の二人がけの席に案内される。客でいっぱいだ。日替わりを頼もうとした矢先、別の客が「春カツ」なるものを頼む。メニューを確認する。ロースカツ定食のことらしい。うむ、日替わりではなく、春カツにするべきか。5秒ほど考えて、春カツにした。さて、吉と出るか、凶と出るか。
春カツ定食
店は満席だ。ほとんどの人が日替わりを頼んでいる。うーむ。壁にランチ限定ポテサラ百円とある。頼んでしまおうか。いや、それよりも分厚い特得とんかつに注文し直すべきか。考えている間に、先に春カツを注文した客の分と一緒に私のも運ばれてきた。
キャベツの千切りは細い、薄い。好みだ。ドレッシングはメキシカンとノンオイル青じその二種類だ。ここはノンオイルだ。本来、とんかつ屋のキャベツにかけるのは塩か醤油と決まっている。その流れを汲む青じそドレッシングが正統な後継者というものだ。
味噌汁はしじみ汁。豚汁が定番の座になぜしじみ汁なのかは謎だが、昨晩の酒席で酷使した肝臓をいたわるには都合がいい。味も濃くなくて、しじみの香りに癒されると言うものだ。
この店のソースは一種類、とんかつに適量かけ、カラシを皿のへりに多めにとる。スプーンが小さい。見た目は衣が厚そうだが、口に入れると、サクッとして気持ちがいい。粉っぽさは微塵もなく、衣の厚みを感じない。さらに噛み進めると、スーッと滑らかに、肉を噛み切れる柔らかさだ。口の中に脂の甘みとソースの酸味とマスタードの香りが混ざりあう。
美味い!
おもむろにキャベツスライスを追加で放り込む。冷たくシャキシャキのキャベツが口の中をさっぱりとさせる。やはりとんかつのキャベツは醤油系が合う。そしてご飯だ。こいつがすべてを包み込み、味を受け止め、まとめる。炭水化物万歳!糖質制限など知ったことか!
キャベツの漬物は、私には塩っぱ過ぎて、食べきれなかった。残念。
さあ、喰うべし。とんかつ、キャベツ、ご飯のローテーションだ。たまにしじみ汁だ。
おかわりキャベツ
店内は相変わらず満席だ。隣のテーブルに座った四人組がオーダーしている。
「イカフライ」
うむ、イカフライも美味いよな。久しく食べてない。今度、自宅で作ろう。
「アジフライ、キャベツ大盛り、ご飯少なめ。」
なんと、さすが常連だ。そのような裏技があるとは、恐るべし。私は一見さんなので、そそくさと先を立ち、キャベツを取りに行く。そう、お代わりはセルフサービスなのだ。なんだか斬新に感じる。とんかつの皿を持たずとも、小皿にキャベツを盛って先に持ち帰ればいいのだ。小さい気もするが、とんかつ皿にキャベツを入れると、ちょうどくらいの量だ。
キャベツもとんかつも食べ終えてフィニッシュ。ご飯が食べきれなかった。見た目よりもボリュームがある。ポテトサラダや特得とんかつをオーダーしなくてよかった。よく見れば、特得とんかつは午後1時以降でなければオーダーできないではないか。
いや、会社からそう遠くないところにいた店を見つけた。夜もやってるだろうか。飲みたくない日はここでご飯を食べるのもありだな。持ち帰りもできるようだ。ぜひ、また食べに来よう。その時はイカフライかアジフライか迷うことだろう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)