濃厚鶏白湯拉麺

岡山でコンポタラーメン 濃厚鶏白湯拉麺 乙

山富士じゃないの?

岡山市田町。久しぶりに会う気の置けない仲間たちと酒を飲んだ。2年前、一年をかけてともに全国を二周した、私にとってもお互いにもかけがえのない絆で繋がった大切な仲間たちだ。あの頃は毎週末、事業が終わるたびに打ち上げをしていた。事業は失敗の許されないものだったから前日や昼間の緊張感がハンパなく、その開放感からか事業が終わった夜はバカみたいには騒ぎまくっていた。

二件ほどハシゴして時計を見ると時刻はすでに午前1時を回っていた。そろそろ締めようかとなったのだが、どうもラーメン派と焼肉派に分かれるようだ。ああ、石巻の焼肉屋では熱く語り合ったなぁ。いい歳をしたおっさんどもが激論して涙を流して、ああ、何もかも皆、懐かしい…と宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長のような気持ちはさておいて、私はラーメン派に加わった。岡山で締めのラーメンといえば山富士でしょう。しょうゆ味のいい意味で伝統的なラーメンが食べれる店だ。それを遮ったのは山田村の専務だった。

「どうしても連れて行きたい店があるんですよ。マジ美味いですから。」

彼がそこまで言うのなら本当に美味いのだろう。連れて行かれたのは雑居ビル。ここは飲み屋ビルだよなぁと思って眺めてきたら「こっちですよ!」と呼び掛けられた。確かに「ラーメン」と書かれた提灯がある。

向かいは焼肉「うっしっし」だ。場所とネーミングのいずれにも首を傾げながら勧められるままにラーメン店の暖簾をくぐるといきなり目に入ってきた品書きに驚く。

「ドンペリゴールド 100,000円」

さすが飲屋街。頼むやつがいるんだろうな。

チャンジャ巻き

カウンターの奥の個室に通される。私は濃厚白湯鶏麺のコッテリを、何人かは坦々麺を注文する。山田村が言う。

「チャンジャ巻きを食べませんか?美味いですよ。」

なんか気乗りしないが彼が言うなら美味いのだろうと出されたそれは、ご飯の白と韓国海苔の緑がかった黒、そしてチャンジャの深紅のコントラストも美しく、指でつまんで軽く一口で食べられる量だ。口に入れると見た目よりもあっさりしているのにチャンジャの旨味がパッと広がるとご飯と海苔がそれを受け止める。美味い。

コンポタラーメン

先にラーメンが出てきた。ポタージュのような濃厚スープに中細のストレート麺。まさにトリポタ。北京ダックを食べるとき出てくるスープもここまで濃厚ではない。日本で北京ダックを食べたことはないが、北京では皮と身を一緒に包んで食べる。そして付け合わせのスープを飲む。これは北京ダックの大量の鴨ガラを鍋で煮たてて作ったもので、強火で煮たてることで乳化が起こりトロトロになる。具は無かったり、ワーワー菜(娃々菜、小型の白菜)や豆苗が入っていることもある。自宅でも試してみたが、強火で煮たてるには底の深めな寸胴が必要で、自宅にある鍋では強火で煮立てられず、うまく作れなかった。

話を戻す。麺にスープがよく絡む。玉ねぎの辛味が口の中を爽やかにしてくれる。鶏チャーシューは柔らかくジューシーだ。麺をすすり、チャーシューを食べ、スープをすする。たまにきくらげを食べてみる。コリコリとした食感がまたいい。この動作をひたすら繰り返す。旨い。スープもすべて飲み干し珍しく完食してしまった。

担々麺

ラーメンを食べ終わる頃に担々麺が出てきた。写真を撮らせてくれと頼む。一口どうですかと勧められるが固辞する。食わず嫌いなのだろうが、どうしても日本の担々麺を食べる気になれない。中国の担々麺は好きだ。見た目はうまそうだが、そもそも腹がいっぱいだ。

店を出ると解散し、タクシーでホテルに向かった。今日は楽しかった。みんなと今度はいつ会えるのだろうか。明日は朝一の便だ。そんなことを考えながら、眠りに落ちそうな心地よさに耐えつつ、ホテルに戻ったのだった。

濃厚鶏白湯拉麺 乙 (食べログ)

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