糸満漁民食堂ふたたび
しびれ醤油がなくなった。私も妻も花山椒が大好きなので、カルパッチョを何度も作ったために、あっという間になくなってしまったのだ。この醤油は店でしか売っていない。ランチも兼ねてふたたび訪れることにした。
さて、何を食べようか。手元にメニューがあるので、妻と事前協議を行う。漁民飯は無い。しびれ醤油は家庭で味わえば良い。魚汁そば濃厚とイカスミ汁定食か。とりあえず店に行ってから考えるか。
今日から始まった沖縄知事選の期日前投票を済ませて、糸満に向かう。ゆうたまが激しく泣き始めた。空腹のようだ。途中のサンエーに立ち寄り、ベビールームで妻がおっぱいを飲ませた。
もう午後二時前だ。店は開いてるだろうか。七分ほどで店に着いた。相変わらず駐車場は一杯だが、一台だけ空いていた。車を停めて店に向かう。よかった、ラストオーダーが十四時半。
店に入ると店内はほぼ満席。相変わらずの人気店だ。この季節、普段なら観光シーズンではないが、明日から三連休だからなのか、明日が安室奈美恵のラストコンサートだからなのか、飛行機もいっぱいだと聞いた。
一番奥の座敷席に案内される。注文は予定通りにイカスミ汁と濃厚魚汁そばだ。あとは運ばれてくるのを待つ。お座敷なので、ゆうたまを寝ころばすこともできる。小さな子供がいる家族連れにはお座敷が大変ありがたい。
イカスミ汁定食
まずはイカスミ汁定食。天ぷらに海ブドウとイカの前菜がついている。
イカと海ブドウの組み合わせは意外にもいける。美味い。
カリフワの沖縄天ぷら。美味いのは前回来た時に確認済みだ。けいたまがいれば、喜んで食べるだろう。
イカスミ汁は真っ黒だ。具が見えない。これが鍋なら本当に闇鍋だ。部屋を暗くしなくても、何が入っているのか分からない。
箸でどんぶりをさらってみる。具だくさんだ。イカがゴロゴロ入っている。食べればカツオのきいた出汁に、イカスミのコクと香り。優しい味だ。妻は懐かしい味だと言う。身も柔らかい。ホッとするなあ。いや、油断はならない。服につかないように気を付けて食べないと。
魚汁そば(濃厚)
さて、魚汁そば濃厚である。天ぷらに山盛りのご飯。麺とごはん、基礎代謝の下がった中年には禁断の組み合わせであるが、美味いゆえに止められない。固めの米飯が私好みで食欲をそそるのだ。さあ、味合わせてもらおうか、魚汁そば濃厚とやらを。
カツオ出汁にごま油、しびれ醤油にマグロそぼろ。担々麺のようにも見えるが、似て非なるものだ。スープが美味い。滋養深くコクがあり、ほのかな花山椒のピリリとした刺激がアクセント。麺は細い平麺の沖縄そば。少しボソボソしている。もやしが相性よい。青梗菜のさっぱりとした味が箸休めにもなる。
麺を食べ終えたがスープが残った。これを飲むのはちょっときついが、もったいない。それにご飯がまだ残っている。ということは、どんぶりに飯をぶっこめばいいのか。
おお、これは美味い!麺に合う、こってり系のスープはごはんにも最適なのだ。鯛塩ラーメンしかり、泡系豚骨しかり、花山椒の刺激もたまらない。できればスープを電子レンジで熱々にして、ご飯だけでなく玉子も欲しいぞ。そう、沖縄そばならぬ、沖縄雑炊なのだ。
二人とも完食。店には客がほとんどいなくなっていた。そろそろランチタイムも終了だ。しびれ醤油を三本買って店を出た。さーて、今晩もカルパッチョにしますか。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)