まんま家 たるる
買い物を終え、ネットで近所の店を調べる。ふむふむ。まんま家たるる。ここにしてみようか。十分ほどで店に着いた。途中に魅力的な鰻屋も見つけたのだが、店の外にまで人があふれていたので、食べるのに時間がかかるのだろう。おお!駐車場が狭いとネットに書いてあったが、運よく停めることができた。
テーブル部屋には私一人。お座敷席からは親子連れの会話や赤ちゃんの声が聞こえる。家族から仲間はずれにされた舅の気分なのだ。トイレは温水洗浄便座。こぎれいなのがいい。
メニュー
さて、何を食べようか。
メニューはランチと単品だとのことだ。洋食屋さんと思っていたのだが、どうも違う。中華メインだが、洋食も少々ある。店内は家族連れの客が多く、スタッフはすべて女性だ。そもそも店の雰囲気が女性的だ。明るくて、暖かくて、ホスピタリティに満ちている。男性にこれは無理だ。BGMは洋楽ポップスだ。
ランチは二種類。まんまとたるる。サラダ冷麺と鳥の唐揚げだ。よし、たるるにしよう。これまたボリュームがありそうだ。
サラダ冷麺と鳥の唐揚げ
さあ、ランチがきたぞ。唐揚げを食べる。ジューシーだ。噛むと弾力があるが、硬くはない。味付けはシンプルだ。衣が薄くてヘルシー。カレー塩をつけるとスパイシーで味わい深くなる。そこに付け合わせのサラダを食べる。スライサーで薄く切ってあるキャベツがみずみずしい。トマトも甘い。フレンチドレッシングが野菜とマッチしている、と言うか、私が好きなドレッシングなのが嬉しい。
おお!三つ目に食べた唐揚げは、よりジューシーで肉が柔らかだ。美味い!あお、もっと野菜が欲しい。仕方ないから漬物で代用だ。味噌汁と思っていた汁物はお吸い物だ。しかも薄味。刻み揚げがたくさん入って具沢山だ。ご飯も一粒一粒立っている。少し硬めに炊かれているのは私の好みだ。きっとチャーハン等にも使いやすいように、このような炊き方をしてるのだろう。
店内に赤ちゃんの声が響く。お座席は小さな子供のいる家族連れには快適だ。
冷麺は韓国冷麺ではなく、冷たい麺だ。冷やし中華だ。具は錦糸玉子とシーチキン。意外とうまい。こいつがもう一つの定食なのだな。味見程度の量とのことか。
味もボリュームも満足だ。ランチの余韻に一人浸っているところに、店の方がひょこっと顔を出した。
「食べ終わりましたかあ?デザートのつるっとあんにんどうふです。」
デザートがあったか。これも女子の発想だ。腹がいっぱいだが、食べてみる。甘さ控えめ。いいなあ、これ。でも食べきれない。
リアルひとり飯を終えると、賑やかなお座敷席を通ってレジに向かう。
店主は男性だった。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)