シェフの台所 ビーフシチューのせオムライス

八重瀬町 シェフの台所 オムライスとお魚ランチ

実は私は12連休である。連休の前後、まったく休めなかった。明日からまた出張の日々である。鹿児島、宮崎、出雲と移動して福岡経由で沖縄に戻る。連休の前日はゆうたまの中耳炎でバタバタしていた。なので、連休明けの今日、二人とも保育園に登園することができ、ようやく妻と二人でグッタリと倒れていたのだ。

久しぶりの保育園、ゆうたまは激泣きであった。親と離れたくない一心の娘を目前に、早く部屋に連れて行ってくれと、これで今日の夕方までは一息つけると心の中でつぶやく、ニコニコ顔の両親。鬼と言われようと何と思われようと、疲労困憊のままでは、まともな育児などできないのだ。

帰宅して二人で家事や掃除、洗濯を済ませる。録り貯めたドラマを見る。ラジエーションハウス、緊急取調室、インハンド、ストロベリーナイトサーガなどなど、今年の春ドラマは面白いものばかりだ。集団左遷も福山雅治にこんな役をさせちゃうのかと驚きつつも楽しんでいる。他にも…とにかく、すべて見終えるのは秋になるのではないだろうか。さらに佳境に入りつつある「からくりサーカス」に盾の勇者にその他もろもろ。豊作なのはいいが、時間が足りぬ(涙)

こんな日は外でランチを食べよう。私は手を抜けるし、妻は気分転換だ。私の手料理にも飽きてきただろう。ネットで八重瀬町の店を検索し、妻の車で向かってみた。

シェフの台所

目的地は住宅街と農地との境目にあるような、ものすごくわかりにくい場所だ。土地勘がまったくなければ迷うだろう。店にはたどり着いたものの、駐車場が見当たらない。店の入口となりの、一台分の駐車スペースは自宅のガレージにしか見えない。本当にここなのか、不安に思いながら駐車する。車を降りて店の入口に向かうのだが、店内は暗いままだ。休みだ。ネットで調べると不定休とある。

ならば、以前から二人とも気になっていたカフェに行ってみようと向かうも、これまた休みである。この辺りにはもう一軒しか残されていない。消去法でシェフの台所で食べることにした。

店の前に車を停める。店内は客が1組だけ。しかし、後から続々と客が訪れて、半分の席が埋まった。

メニュー

さて、何を食べようか。

個性的な文字の手書きメニューである。この店のイチオシはオムライスのようなので、それは外せない。

ランチ限定オムライスのゴールデンウィーク限定とダブルでプレミア。うーむ、ビーフシチューのせを注文するしかないようだ。

ランチおすすめということは、ランチ以外でも食べられるメニューということだろうか。なかなか料理が豊富である。妻の分はスペシャルお魚ランチとなった。

店内は落ち着いた感じである。子供用のいすもあり、家族連れへの配慮もうかがえる。

壁には芸能人のサインが…全員、沖縄のローカル芸人である。個人的には初恋クロマニョンが好みだ。昨年、会社の忘年会でのネタが一番面白かったが、YouTubeでは見つけられなかった。残念。

サラダとスープ

まずは、コンソメ控えめの野菜たっぷりスープ。素材の旨味を邪魔せず、かといって物足りなさもないバランスの良い味わい。

サラダの野菜がみずみずしい。サラダバーではこうはいかぬ。オリジナルであろう、酸味控えめのフレンチドレッシングをまとった野菜の香りが鼻をくすぐる、口に入れると風味と相まって味わいが広がり、噛んだ時のパリパリの食感がとどめとなって食欲を刺激する。ああ、美味しいサラダが食べたいなと妻と話していただけに、これは嬉しい。

ビーフシチューのせオムライス

ビーフシチューオムライス。見た目に華やかな黄色と、重厚なこげ茶色のドミグラスソースのコントラストが美しい。

個人的に、オムライスとドミグラスソースの組み合わせは、玉子にクリームでコク、チキンライスにもコク、そしてドミグラスソースのドッシリとしたコクの積み重ね、まさに重層的な味の構成により、まったりとして深みのある味わいを作り出すものである。どっしりとした食べ応えがあるので、躊躇するときもあるくらいだ。

ところが、このとろとろのオムライスは玉子のみ。おしゃれなカフェのオムライスはクリームなどの混ぜ物をしているが、ここは違う。半熟の部分には黄身と白身しか存在しない。

玉子の中はガーリックライス。香り控えめ、油も控えめで、ギトギトしていない。ドミグラスソースはヘビーなイメージがある。自己主張ですべての料理を自分色に染めてしまう、吸い込まれそうな深い色をしているものだが、この店は違った。あっさり、ライトなのである。

玉子の味を殺さない、邪魔しない、混ぜ物で虚飾せずに、それぞれの持ち味をギリギリに抑えることで、混ざり合った時にバランスよく融合する。まさにトリオ、素晴らしきメロディーを奏でる三重奏こそが、このオムライスなのだと理解する。

ボリュームもそれほどでもなく、サクッと食べられて安心した。ご飯がもう少し硬めの方が好みなのだが、客層が高齢なのだろうか。店を切り盛りしているのは老夫婦ではあるが、本日の客は若者ばかりで、私が一番の高齢者ではないかと思うくらいだ。赤ん坊連れのカップルもいるし、お腹の大きな妊婦の一人客もいる。

トイレは洋式、温水洗浄便座ではない。

スペシャルお魚ランチ

スペシャル魚ランチはカジキのバジルソース。ギリギリまで塩をきかせて、素材の旨みを引き出しつつ、香り控えめのバジルソースで包み込む。付け合わせの野菜はまさに名脇役。数合わせのエキストラではない。柔らかめに炊かれてご飯とマッチする。オムライスとは対照的な味わい。

とは言え、ご飯が柔らかすぎる。少しべちゃべちゃ過ぎるように思うが、高齢者にはこれくらいの柔らかさの方が食べやすいだろう。

店内の客層は若いのに、料理は二品ともに味は薄く油分が控えめ、ヘルシーと言えば聞こえはいいが、ならばドミグラスソースよりもトマトソースにした方が理にかなっているのではないだろうか。

締めは手作りマフィンとドリンクである。チョコチップ入りだ。苦手だ。これまた自然な味わい。バターの香りが鼻をつくこともない、上品な香り。チョコさえなければと悔やまれる。私はチョコが食べられないのだ。

料理はテイクアウトすることもできる。昨晩、夕食を冷凍食品で簡単に済まそうとして、だいぶ失敗した。この店を知っていればテイクアウトしたものを…今度から使ってみよう。けいたま達にはこれくらいの味付けの方が食べやすいかもしれない。

次回は向かいのカフェでランチをしようねと妻と話をしつつ、店を後にした。

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