蕨駅 鮮天下 西安刀削麺
蕨のスナックで呑んだ後、南浦和に電車で移動しようと知人の佐々木氏と駅に向かった私の眼前に現れたのは「刀削麺」の文字。立ち止まる私、いぶかる佐々木氏。
「刀削麺を食べてみませんか?」
佐々木氏は八戸や地元むつ市でラーメン店を営んでいる。食に対する好奇心は旺盛だ。
「なにそれ?食べてみたい。焼き鳥は一本食えればいいよ。」
二人でドアを開ける。奥のテーブルに案内された。店内は客も店員も中国人。日本人はいないようだ。なぜならテレビの音声以外、日本語が聞こえない。
メニュー
さて、何を食べようか。
メニューを見る。ここは何を食べても旨そうだ。カイコまでメニューにある。いや、ここはオーソドックスにいこう。大好物の干豆腐細切り野菜和え冷菜と羊肉串だ。
「なんか、辛いもの食べたい。」
佐々木氏のリクエストだ。メニューを探す。え?夫妻肺片があるじゃないか。中国では割と普通の料理だが、日本ではめったにお目にかかれない。よし、こいつを頼もう。
干豆腐絲
まずは干豆腐絲。
「なにこれ?」
始めて食べる佐々木氏が驚く。湯葉の細切り野菜ラー油和え、とでも説明すればいいだろうか。麺のようだが、豆腐である。糖質制限にはうってつけの食材である。私の大好物である。
夫妻肺片
続いて夫妻肺片。大陸で食べていたのと違うな。店によってまったく異なる料理でもある。おまけにパクチーがほとんど入っていない。これは不満だ。肉も分厚い。薄いのが好きだ。ハチノスは入れない方が旨いと思うが、まあいい。国内ではめったにお目にかかれないのだ。
久しく大陸にも行っていない。子どものハルハルとトミーが北京からいなくなった今となっては、中国に行く理由も見当たらない。どうせ、そのうち仕事で行くことになるだろう。
羊肉串
羊肉の串焼き、強烈なクミンの香りを期待していたのだが、割とおとなしめな味だ。
「これ、柔らかいっすね!美味い!」
佐々木氏が喜んで食べている。日本ではあまり見かけない料理だからね。
麻辣刀削麺
さあ、締めに行きますか。もちろん、ここは麻辣刀削麺です。二人で一つ食べましょう。店員が小椀を持ってきてくれた。見た目は美味そうだ。
食べてみる。うん、美味い…美味いけど、なんか物足りない。芝の店の方がスープにコクがある。麺もちょっと薄め、小さめかな。形が冷凍食品の刀削麺みたいだ。酔っているせいだろうか。佐々木氏は美味いを連発して食べている。これも完食。
「いやー、美味かったですね!」
佐々木氏はご満悦だ。もう面倒だからタクシーで帰りましょう。ホテルの前で降りたのだが、どうしても焼き鳥が食べたいという佐々木さんを焼き鳥屋に連れて行った。
あれ?看板が消えている。
「じゃあ、いいですよ!コンビニによって帰ります!」
そう言って佐々木さんは闇に消えた。焼き鳥屋の店名は「ファンさんの店」だった。どこがハンサム君だよ!
ホテルに戻って寝よう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)