元祖串カツ専門店 新世界
やまもとでねぎ焼きを堪能し、制覇した我々一行は、次なる獲物である串カツを求めて歩いた。ネットの評価とかそんなのはどうでもいい。ここから徒歩五分以内で、土曜日の夜に八人で入れる店、これが条件だ。さあ、答えを出せや、GoogleMap!
Siriとか「OK, Google」なんて、機械に話しかけるのは好きじゃないんじゃあ。機械ならコマンドラインで動きやがれ。
ん?一軒見つけた。五分ほど歩きたところだ。着いた。店員に尋ねると、八人とも同じテーブルで入れると言う。よし、ここにしよう。
地図の案内通り、およそ五分で店に到着。いかにも大阪の串カツ店らしい面構え、いや店構えだ。超炭酸ハイボールがあるのも嬉しい。ドアを開け、八名が入れるか聞いてみる。二つのテーブルに分かれれば座れるという。まったく問題ない。我々は四人ずつに分かれて、二つのテーブルを陣取った。
テーブルの上には、冷徹なメタリックな外観が人を寄せ付けないかのような、これがなければ串カツは食べれないという圧倒的な存在感。そう、大阪名物、ソース入れが鎮座している。当然、二度付けは禁止だ。鉄則である、鉄の掟である。破ったものは処罰されてしまうのだ。
メニュー
さて、なにを食べようか。
さっき食べたから、一品ものはいいでしょう。それとハイボールはメガジョッキあります?まずは乾杯だ。お通しの生キャベツはソースにつけると美味い。さあ、何を食べる?各自、好きなものを注文よろしく。
串カツ
串カツが来た。何を食っても美味い。なによりソースの味加減がいい。一人が言った。
「沖縄で食べた串カツとは全然違う!」
知人が那覇市内で串カツ店を始めたが、悪くはなかった。串カツ。ネタに衣をつけて揚げるだけなのに、なぜ大阪だとこんなにも旨いと感じるのだろうか。奥が深い。
私の紅生姜はどれだ?
「ええ?紅生姜ああ?」
若い沖縄県民が驚く。知らないだろう?食べれば分かる。紅生姜のくし揚げにソースをたっぷりとつける。二度付禁止厳守なのだ。これをかじる。一口では食べない、少しずつかじるのだ。うん、美味い!食べてみる?沖縄県民数名が恐る恐る紅生姜をかじる。
「え?これ、美味いですねえ!」
彼らも便乗して紅生姜を注文した。ね、美味いだろう?トマト串揚げを試してみる。あ、串焼きよりも美味いかも。
おみくじハイボール
ここで店員からおみくじハイボールを勧められる。へー、損はないんだな。よし、やってみよう。おみくじを引く。結果は小吉。メガハイボールが安くなる、と。串揚げはまだまだくる。ちょっと頼みすぎでないかい?食べきれないよ。
再びおみくじハイボール。今度は中吉を引く。半額になる。しかし、ノーマルサイズのジョッキになる。面倒臭いから普通のメガジョッキ持ってきてー!
まだまだ串カツ
気がつけば23時半。
「ははは、酔ってろれつが回ってませんよ!」
同僚が笑いながら私に言った。マジか?え?そう?
慌ててゆっくり喋ってみる。まあ、いい。夜も更けた。帰りましょう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)