セルフうどん やま かけうどん

徳島でうどんを食う ~セルフうどん やま~

阿波踊りポスター

阿波踊りのポスターが毎年アニメファンのあいだで話題になる。そもそも徳島は年に一度、街をあげてアニメイベントを開催するような街だ。レイヤーが商店街を堂々と闊歩できるとは、連邦の白い…じゃなくて行政もなかなかやると感心する。大きな街にしか店舗がないアニメイトが徳島にあるのもうなづけるというものだ。

それが縁なのかどうなのかは知らないが、毎年制作される阿波踊りのポスターはアニメ作者によるデザインだ。もちろん年ごとに異なっている。ポスターなので街のあちこちに掲示されるのだがよく盗まれるそうだ。

しかもこのポスター、ほとんど保存されていないということだ。なのに、過去のシリーズ全てをコンプリートして展示されている場所がある。ホテル「白水苑」の一階ロビーなのだ。何度も盗難の危機に遭ったとのこと。マニアが盗もうとするらしい。これを集めたのはホテルの当主だが、本人はアニメにはサッパリ興味がない。ただ集めた優越感に浸るのが目的らしいから困ったものだ(笑)

朝ごはんは何を食べよう

このホテルは珍しく和室が中心だ。建物は年季が入ってるが代わりに部屋が広い。バスとトイレも別だ。最上階には大浴場があり、これが気持ちいい。私は布団派なので和室の宿は大歓迎なのだ。今や自宅には和室がないのでなおさら嬉しくなってしまう。しかも飲屋街から歩いて数分なので、タクシーを使うことなく帰ることができる。部屋の窓から見える眉山(びざん)の緑がまぶしい。

素泊まりなので朝食はない。徳島でもうどんをよく食べるらしい。飲み屋街にも「たらいうどん」の店があった。

たらいうどん

私はあまりパンを食べないので、モーニングなんてのは論外だ。ネットで検索するとセルフうどん店がある。セルフといっても自分でうどんをゆでるとかネギを切るとかではなく、丸亀製麺と同じスタイルだ。帰りの便は11時20分高松発、沖縄行き。空港までは2時間かかる。途中で野菜も買って帰りたい。

すでに時計は8時を回っていたので、そそくさと身支度をするとホテルから車を出した。目的の店は近くなので数分で着いたが、駐車場が入れにくい!バックで入れようとしたが後ろから来た車に詰められてしまって一旦通り過ぎることにした。徳島の街中は一通が多い。かなりぐるっと大回りしてようやく駐車場に。今回は迷わずバックで細長い駐車場の奥まで進む。停めにくい!

店の外にはセルフうどんの暖簾がかかっている。「讃岐うどん」と書いてある。阿波うどんというものはないのだな。店の中はフードコートの丸亀製麺と変わらない。むしろこちらが本場なのだろうが、うどんを注文して天ぷらやご飯もの、おでんなどを皿に取り、レジのところでうどんを受け取り会計をする。私はかけうどんの小とナス天をチョイスした。

薬味も豪快に置かれている。躊躇なくネギを投入する。そういえば東京駅近くの立食いソバ店には店内に「大量にネギを入れることはご遠慮ください。」なんて書かれていた。ここにはそんな注意書きはない。おろしも生姜もレモンも入れてまうのだ!丸亀製麺はおろしは別料金だ。これで360円は安い。

窓越しのカウンターに座りさっそくうどんを箸でつまむ。白い麺が朝日にキラキラと輝く。ああ、いい天気だ。すする。太めでツルツル。コシはそれほど強くない。喉越しは良い。薬味がきいたツユを飲む。薄味でダシが効いてる。優しい味だ。たまらん。箸でどんぶりをかき回し、薬味を全体になじませる。そこにちぎったナス天を導入。デカすぎてこうしないとドンブリに入らないのだ。おろしとレモンと天ぷらの油が織りなすハーモニー。美味い。至高だ。天ぷらが冷たいのが残念だが人が多い時間に来れば揚げたてが食べられるのだろう。仕方がない。うどんをすする。ツユを飲む。ナス天をちぎるのループを繰り返す。

うどんに現実を突きつけられて

軽めの食事は胃にも優しい。ああ、満足だ。食器を返却しながらふと思った。あれ?この景色、以前にも見た覚えがある。デジャブだろうか?スマホの写真を探してみる。今は地図から写真を探すことができるから便利だ。現在地のあたりで撮影した写真が…あった!2年前にもこの店で朝食を食べていた。しかもかけうどんの小にナス天。同じだ!違うのはレモンがスダチだったことだ。

べつにナス天でなくてもよかろう。他にも色々あったのに、なぜこうもナスを選ぶのか?積極的にナスを選んだわけではなく、消去法で選んだだけだ。2年前も同じだったのだろうか。私の嗜好パターンはなかなかに保守的なのか。意識的に同じものを選ぶ傾向が強いことは自覚している。この店ではこれしか食べないというのは割とある。この店ではこれを食べなければというのもある。決して強迫観念などではない。好きなのだ。

しかし、無意識に同じようなことをしていることを現実に突きつけられるとは。データは嘘をつかない。認めるしかないだろう。そうだ。私は食については保守的なのだ。冒険はしないのだ。失敗してまずい食を摂ることが怖いのだ。小心者なのだ。なんとでも言えばいい。それの何が悪い。ああ、どうせ俺はこんな男だよ。ほっといてくれ。

セルフうどんやま 公式HP

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