ファストフード3つ
浜松町駅の金杉橋口付近で気になっていたファストフード店があった。その数は3店。一つは蕎麦嵯峨谷。十割蕎麦を供す立ち食い蕎麦だ。二つ目は焼そば店。店が開いているのを見たことがない。ラストは日乃屋カレー。聴き慣れない名前だが、チェーン店のようだ。ランチタイムには行列ができていることも珍しくなかった。
個人的にカレーは好きな食べ物に入る。バーモントカレーやジャワカレーに代表される、日本の典型的なカレーも好きだ。CoCo壱などが該当するか。
健康志向に偏ったこだわりカレー嫌いではない。カレーキャンプやもうやんカレーが該当する。
もちろんグリーンカレーに代表されるタイ料理のカレーは大好物だ。定期的に食べたくなる。残念ながら本場で食べたことは一度しかない。
そして本場と言えばインドカレー。北部に代表されるキーマやチキン、マトンカレーだけでなく、南部のサラサラカレーも好きなのだ。
もちろんドミグラスソースをベースとした、重厚な欧風カレーも好きである。
グローバルだけでなく、国内でも金沢カレーや札幌のスープカレー、静岡県清水市のもつカレーなどなど、ローカルなご当地カレーも機会があれば食べてしまう。残念ながら沖縄県はカレー不毛の地である。
なんとグローカルな料理であろうか。
そんな私が気になる店をいつまでも放っておく訳がない。虎視眈々とその機会を、常に伺っているのだ。常在戦場なのである。
日乃屋カレー
内幸町駅でランチを食べようと駅の辺りを歩いていると、初めて見るような、見覚えのあるようなカレー店を見つけた。
あ、浜松町の店じゃないか。
のぼりには神田カレーグランプリ優勝の文字、史上初の殿堂入りと記載されている。
ふーん。
カレーのルーツが掲載された新聞記事だ。要約すると次の通りである。
- いろんなカレーを食べたが、祖母の作ったカレーが一番美味しかった。
- 祖母のカレーを再現してグランプリに望んだが4位に終わった
- そこで今まで試したことのないスパイスを使ったところ、圧倒的なコクが実現した
- 今後も昔ながらの日本のカレーに磨きをかけたい
なんだかブルワーカーの広告のようになってしまったが、試したことのないスパイスを使った時点で、すでに昔ながらのカレーからは離れているように思うのは気のせいだろうか。
メニュー
店頭のメニューを見る。どれを食べればよかろうもん。始まり甘く、後より辛い、余韻残りしカレールウ、か。なるほどね。名物はカツカレー、名代は上メンチカツカレーか。
チキン南蛮カレーはパスだな。
なんだ、ここにもメニューがあるぞ。名物、王道、名代ときて手仕込み、とろっと…はあ。料理の格付けをあらわふ二文字熟語から、急に作り方や食感に心変わりしているのは何故だらふか。
まあいい、食券を買おう。名物も名代のいずれかに悩むが、1.56秒で開催された脳内会議の結果、カツカレーに軍配が上がった。併せてサラダを購入。
カウンター席に座るとおもむろに食券を店員に差し出した。
名物カツカレー
テーブルの上には読売新聞の記事に各種調味料と福神漬。とんかつソースと辛味噌は分かるとして、天かすガーリックとはなんぞや?
カウンターでカレーが運ばれてくるのを心待ちにする。そんな私の前に先に置かれしは彩どりサラダ。ドレッシングは和風、ごま、サウザンが選べる。ここは和風をセレクト。
キャベツスライスは薄く、乾燥していない。パプリカがみずみすしい。自宅では食べない野菜ナンバーワンではなかろうか。
客がどんどん入ってくる。二時前だぞ。
サラダを食べ終えた頃にカツカレーがやってきた。なかなかのビジュアルだ。ふと、気づいてしまった。カレー店ではお決まりの辛さを聞かれなかったと。
まあ、いい。
祖母のカレーがルーツなのだ。バアちゃんにカレーの辛さを尋ねるやつもいないだろう。黙って出された料理を食べればいいのだ。
一口食べる。ん、甘口か?口当たりはマイルドだ。お?遅れてスパイシーな刺激が口に残る。おお、味わいの時間差攻撃、まさに余韻残りしカレーである。 食べているうちに汗が出てきた。
揚げたてのとんかつはご飯の面積とほぼ同じサイズである。カツカレーというより、カツライスカレーソースである。ルーをかけられても、なおパリパリだのとんかつの中身は熱々、ジューシーな肉は柔らかい。おそらく肩ロースだろう。
気になっていた天かすガーリックを確かめる。にんにくチップと天かすの混合物だ。カレーにトッピングすると香りと相まって食感もプラスされる。
なるほど、これはありだな。
食事中もテイクアウトの客が頻繁に訪れていた。店内ではなく、自分が好きな場所で心置きなく食べるカレーも、さぞうまいことだろう。
食べ終わって、ググってみた。この店が神田カレーグランプリで優勝したのは2013年、以降、一度も入賞すらしていない。さらに殿堂入りと言うのは日乃屋カレーの記事以外には検索できなかった。
自称なのか?
今年のグランプリ第3位がアパ社長カレーであることに驚いた。案外、組織票だったりして、などと勘ぐるのはやめておこう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)