肉汁

沖縄県豊見城市 海洋食堂 味噌汁と肉汁

豊見城名嘉地 海洋食堂

「お昼ご飯作るのやだ。飽きた。」

妻に宣言して、家の近所で食べられる店はないかとネットで探していたら、ヒットしたのが海洋食堂。食べログの点数も高い。しかし高得点というだけでは私の心は動かない。コメントに記されていた一言が私の食指を動かした。

「味噌汁が美味い。」

なに?味噌汁がうまいだと?いまだ那覇市辻のだるま食堂をしのぐ店を見つけられない私たち夫婦は、美味い味噌汁があると聞いては食べに行き、がっかりを繰り返してきた。

ついにこの日が来たか?!

ゆうたまを連れて妻と家を出る。けいたまは保育園だ。高速に乗れば店はすぐだ。かつての妻の通勤路沿いに店はあるから、道に迷うことはない。しかし、着いてみると満車。停める場所がない。店を通り過ぎ、大回りして再度挑戦。今度は空いていた。すかさず車を突っ込み、停止。よし、店に入るぞ。

午後二時前だというのに、店内では大勢の客が食事をしている。人気店だ。お座敷席に案内してもらえた。ゆうたまを畳に置く。

さて、何を食べようか。すんなりとみそ汁と肉汁をセレクト。

ゆうたまは扇風機の風が吹くたびにあたふたしている。まだ、風に慣れないみたいだ。水とお茶はセルフだ。

味噌汁

おばちゃんが銀色のお盆にのせて持ってきたのは味噌汁。ご飯におから、野菜の甘酢漬け。ちょっとつまんでみる。おからうまい。甘酢漬も箸休めにいい。

味噌汁はキャベツメインだ。食べてみる。甘い。食感もしっかりしている。次は大根だ。大根は柔らかい。豆腐も柔らかいのが意外だ。味は確かに島豆腐なのだが、ぎゅっと固く絞った感じがない。ゆし豆腐のようにふわふわもしていない。揚げ豆腐の中身のようだ。

自家製豆腐がなせる技なのか。

ここでスープを飲んでみる。出汁と味噌は控えめ。キャベツ、大根、にんじん、玉ねぎ、ほどよく火が通って、素材の甘みを引き出している。三枚肉は見た目には存在感があるが、意外にも食べるとあっさりだ。

しかし、これではだるま食堂に及ばないな。パンチがない。妻はコーレーグースを入れる気にならないと言っている。

肉汁

時間差でおばちゃんが運んできたのは肉汁だ。なんだかこちらの方がうまそうだ。まずはスープ。あっさりとしたすまし汁。豚骨と鶏ガラのミックスだろうか。生姜の香りがいい。野菜はゴロゴロと、みそ汁より大きめにカットされている。豆腐も少なめ。スープのしみたこんにゃくがうまい。肉は固くはないが、噛みきれない。いや、噛めば噛むほど濃厚な肉の味が溢れてくる。ご飯に合う。おそらく豚の腕の肉、沖縄ではグーヤヌジーと呼ばれる部位ではないだろうか。おつゆに入れる定番の肉だ。

これは美味い!

骨汁から骨を抜いたというか、あれは部位が違うから、骨汁よりも肉を味わえるというか、汁物なのにご飯のおかずになるのがすごい。妻にも勧める。美味しいよね。期せずして頼んだものがこれほどまでとは。

この店の名物でないのが不思議だ。

トイレは温水洗浄便座だが壊れていて使えない。

味噌汁、骨汁に加えて肉汁のうまい店を見つけたことになる。中身汁は嫌いではないが、好んで食べるわけでもない。ヤギ汁もそうそう食べるものではない。牛汁と馬汁は別の機会に回そう。

いやあ、この店の肉汁はクセになりそうだ。

(Visited 47 times, 1 visits today)