ウォルプタス 東京駅グランルーフ店
出張で東京駅付近にいる。おそらく仕事が終わるのは20時ごろであろう。確実に空腹だ。すぐに夕食にありつけるように、至近でハイボールが飲める店を探したところ、向かい側の東京駅によさそうな店を見つけたので、予約しておいた。
仕事が終わった。片付けも終わった。時刻は19時50分。いい感じだ。このまま店に行けば、待たずに入って直ぐに乾杯できる。エスカレーターを乗り、2階の店を目指す。ここだ。オシャンティーな店だ。
PASTAはわかるが、TAPASとはなんであるか。スペイン料理の前菜のことらしい。
刺激的なキャッチだ。スペインビールとイタリア生ハム。
え?
スペインのビールで飲むなら、同じスペインのハモンセラーノではないのか。
気にしないでおこう。店に入り、予約名を告げると、店員に少し待つように言われる。
「20時には席を用意しますので。」
そうか、少し早く来すぎたか。時刻を確認する。
20時01分。
予約した時刻を過ぎとるないかーい!はっはっはっは。
どないなっとんのやー?!(怒)
飲み放題90分付きプラン
数分後、全員が席に着いた。とりあえず乾杯のビールだ。
え?瓶ビールのみ?
生ビールは別料金だ。これだけ豊富にビールを揃えておいて、飲み放題は瓶ビールのみとは、客の気持ちよりもオペレーションの効率化を重点に置いているということだ。
選べるメインとパスタは全員同じものをセレクトしてシェアするとのこと。個人個人で選べないのが残念。っていうか、なにそれ?
四人前ずつまとめろと言うなら分かる。一人ずつ別々に選べないのは理解できる。しかし八人全員同じものになるのは納得がいかない。あくまでも効率重視なのだな。この店の客に対する姿勢が分かる気がする。
生ハム
口当たりなめらか。塩加減ちょうど。肉の味がギュッと詰まってうまい。ビールに合う。ご飯に巻いても美味しそう。ハムを食べてる感じがしない。肉だ。味の濃い超薄切りローストポークのようだ。うむ、これならばハモンセラーノではなく、イタリア産生ハムがイチオシなのも自明である。
オリーブオイルサラダ
野菜がみずみずしくてシャキシャキ。オリーブの香りもいい。
タパス盛り合わせ
つまり前菜盛合せである。プリプリ椎茸のマリネが新感覚の味だ。これはいい。人参はドレッシングが効いて酸味強め、酢の物っぽいがこれまたいい。スモークサーモンと鴨の燻製は割と普通だ。野菜がうまい。
松坂ポークのプランチャ
聞きなれない言葉だが、プランチャとはスペイン両輪鉄板焼きのことである。かりふわでジューシーの豚肉と四種類の調味料。個人的には塩かマスタードで食べるのがいいだろうか。
うーん。
マスタードでは調味料自体のうまさが際立ってしまう。
塩で食べてみよう。
少量の塩を肉につけ。フォークで口に運ぶ。ああ、噛むほどに肉汁があふれ、脂の甘みが口の中に広がりつつ、塩がポークからしっかりとした旨味を引き出す。
トイレは温水洗浄便座ではあるが、エレベーターで三階まで上がらなければならぬ。不便じゃ。
トマトとモッツアレラチーズのパスタ
もちもちの太麺にトマトソースがよく絡み、チーズがコクを演出する。バジルは香りのアクセント。素晴らしい。炭水化物は夜は食べないと誓った身なのに、箸、ではなくフォークが止まらない。もくもくと食べてしまう。
プチトマトなのか、普通のトマトなのか、ここまでドロドロでは見分けがつかないし、正直どうでもいいと思う。原材料にこだわりがあるのか、単にメニュー上の見栄え、つまりマーケティング的に他店と差異化したいのか分からんが、一つ言えることは、美味い。それだけだ。
デザート
フィニッシュだ。
システムの謎
入店から1時間経過。まさかのドリンクラストオーダー。90分飲み放題だから60分後にはラストオーダーなのか。なんだかひどい気がする。仕方ない、ラスト一杯を注文。
今は21時だ。考えてみたら20時に店に来ても席が用意されていなかったのに、終わりの時間はずらさないということなのか。店の不手際で飲み放題の時間が短くなったというのに、それを客に責任取らせるのか。
30分後、料理のラストオーダー。え?順番、逆じゃない? 飲み放題が終わってるのに、料理を注文すると思うのか?
そしてお会計。もともと8名の予約であった。七人でシェアして平らげた。量もちょうどいいくらいだ。七人分で予約していたら、もの足りなかっただろう。請求額は42000円弱。
翌日、予約メールを確認したところ、次のように記載されていた。
●お支払い金額:39,840円
予約確認メール
※料金に消費税、及びサービス料を含む。
オプションなど頼んでいない。ドリンクは飲み放題メニューから注文し、コース料理のみを食べた。ならば差額の約2000円は何なのだろうか。
料理はうまいのだが、トイレは遠いし、システムは雑。飲み放題は実質一時間だ。おまけに謎の差額。料理は美味いので、少人数でアラカルトを食べるにはいいだろう。
団体でコースを食べるのはオススメしない。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)