旬菜酒場じゃぱん
ようやく徳島駅に到着。タクシーで定宿の白水園に向かう。ちゃっちゃとチェックインを済ませると、知人がロビーまで迎えにきてくれた。連れていかれた先は、居酒屋じゃぱん。
すごいネーミングだな。
オープン一周年の花輪が店頭に飾られている。新しい店なのだな。
店内はカウンターとお座敷席とがある。案内された先は、和室の個室であった。テーブルの中央には鍋が置かれていたが、19時頃から始まっていた、7名ほどの宴会に連れてこられたのだ。ほとんどの方が初対面。鍋はほとんど中身カラ。ビールを注文し、とりあえず乾杯。
とりあえず鍋の残り野菜をいただく。あっさりしてなかなか美味い。席についていきなりクタクタに煮えた野菜を食べることも、なかなかできない体験である。
単品ラッシュ
鍋以外の料理をとお願いすると、とりあえず刺身が出てきた。写真を撮ることもなく食べ終える。続いてはイワシの塩焼き。おお、見た目に美味そうだ。自宅の煙らん亭ではこうは焼けぬ。皮までパリッと、茶色い焦げ目も食欲をそそる。熱々の身からはジュージューと焼ける音がする。脂がのっているのだろう。
青魚は好物だ。
熱々の身に、まずは腹と背の間にすっと箸を入れる。ちょうど背骨のあたりだ。ここから身を開くと綺麗に食べることができるのだ。身から湯気が立ち上る。少量の大根おろしを身にのせて、口に運ぶ。
ああ、至福。
イワシの香りと脂のジュワーっとした甘み、大根のさっぱりとした自然な甘みに、身に降りかかった塩がキリッと味を引き締める。美味いなあ、魚は美味い。皮目がまたたまらない。魚の皮を食べずに捨てるやつは通ではないと思う。イワシは味と違って骨が細くて柔らかいから、小骨も気にせずにバリバリ食べられるのがいい。
これまたささっと食べてしまった。
続いては天ぷらだ。これは何だ…とうもろこしか。うん、シャクシャクして甘い。最近、あちこちで食べる機会が増えた。天ぷらネタとしてとうもろこしが市民権を得てきたということだろうか。もう一つは、レンコンと海老しんじょうの天ぷらである。こういう凝ったものは自宅で食べることが難しい。きっと私が海老しんじょうを自宅で作るということは、おそらく死ぬまでないであろう。ぷりぷりと食感よく、海老の香りがいい。
そこにまさかの味付け海苔。徳島県民のソウルフードだと?どれ、食わせてみろ。うん、確かに海苔うまいな。止まらなくなるな。あれ?海苔ケースの中身が残り一枚になってるよ。店に返すって?それでいいの?まあ、客から金を取ればいいだけだもんな。 日の出印味付海苔。土産店でも売っているそうだ。
牛肉と鶏肉のグリル。肉が柔らかい。味付けされていないので、柚子胡椒がとても合う。きちんと修行した料理人が作っているのだろう。腕もセンスもいい。
ただ、締めに食べたチャーハンは、私にはしょっぱすぎた。画竜点睛なのである。
次回は一人でゆっくりと飲みに来たい店だ。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)