打合せを終えて、スタッフと一緒にランチを食べる。本日は石鍋料理が美味いちぢみやだ。
ビビンバかスンドゥブに迷う。いずれも捨てがたいのだが、カレーチーズスンドゥブをセレクト。カレーと鍋は相性がいい。大門の慶州で食べたときも美味であった。
熱々に煮えたぎる石鍋の中には、キムチとカレーが混濁したマグマの海である。もしやこの中にサンダルフォンの卵があるのではないかと思ったりはしないが、下手に手を出すと火傷は必至である。食い意地が張ってる上に空腹なのだ。
もう大丈夫と侮って、もうもうと湯気の立つスープを口に入れ、その熱量にハフハフと悶えながら味わうどころではなく、なんとか胃の中へ落とし込むんだときには上顎の皮がベロンと剥けていることなど、生まれてこのかた何度やってしまったことか。学習能力がないのだろうか。
今日こそは、焦らずにじっくりと適温になるまで待とう。旨味も甘みも鹹味(かんみ、塩味のこと)も、人間の舌は体温+α程度の温度においてもっとも感じることができるのだ。
石鍋の底にはたっぷりの具材が沈んでいた。まさに豊饒の海である。そもそもスンドゥブチゲだけでも美味いのだ。コクのあるチゲの出汁、滑らかな絹どうふの食感、深みのある唐辛子の刺激と辛味、そしてたっぷりの野菜の甘み。これにカレーのスパイシーな香りとリッチなチーズのコクが加わることで、まさに最強。このまま食べてもよし、ご飯と一緒だとさらに良し。
熱さと辛さが身体に作用して頭から、うなじから汗が吹き出る。食欲が刺激され、スプーンが停まらない。石鍋の保温効果は抜群だ。冷めるとチーズが固化してしまう。トロトロのうちに、火傷しないように、じっくりと味わうのだ。
うーん、満足。暑い日に辛いものを食べて汗をかく。サウナの気分である。これで夏を乗り切ろう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)