ネギタン塩炒め

西東京市 田無駅 さかえ家 ネギタン塩炒めと明太ポテト

田無駅 さかえ家

娘のハルハルが突然、日本に引っ越してきた。調理道具も何も持ってないので、買って欲しいとのことで、買い物に付き合う。必要なものを買いそろえてハルハルの寮に着いたのは午後九時前だった。駅前で見つけた居酒屋に二人で入る。私は生ビールを、娘のハルハルはスパークオレンジを頼む。中国なら酒を飲んでもOKなのだが、ここは日本だ。あと八ヶ月すれば娘と成人の祝杯が上げられるが、誕生日の頃は受験真っ最中なので、三月にもぜひとも祝杯をあげたいものだ。

メニュー

さて、何を食べようか。メニューを見る。今日はホタルイカがあるのか。それはぜひ食べよう。レギュラーメニューの方はと、ハルハルのリクエストで、とり天タルタルに刺身、ネギ塩やっこにネギ塩タン炒め、ほほ肉のポン酢和えに、私は漬物だ。

お通し

ワンタンスープをパイ包み焼きのようにデコレーションしてるだけだが、見た目にも楽しいし、こうして食べる方が美味しい気になるのも、この店の作戦なのだろう。零号機、いや、娘もおいしいと言ってるから、ここはひとつ、あえて相手の思惑に乗っかってやろうじゃないか。

刺身盛り合わせ

ホタルイカの在庫が少量だったために、サービスで刺し盛りに載せてくれた。魚はサバ、タイ、マグロ。どれも美味い。しかしホタルイカはやはり酢味噌がうまい。スタッフにダメ元で酢味噌をお願いしたら、たっぷりサービスしてくれた。気持ちいいねえ。早速、ホタルイカを酢味噌につけて食べるように娘に勧める。美味そうに食べてるからよかった。

近所に住む、高校の後輩の島田が店に到着した。改めて三人で乾杯する。彼も前妻との間に零号機、ではなくてハルハルと同じ年頃の娘を持つ身であった。

「お父さん、これなに?」
「サバだよ。」

中国の海にサバはいないし、店で出されるのはせいぜい真っ白にしまった甘酸っぱいやつだ。見た目にはイマイチなのだが、口に入れると、まあまあ美味い。ビックリだ。タイもマグロも同様だ。照明のせいなのか、あまり美味そうに見えないのだが、食べれば納得だ。よかった。

牛ほほ肉のポン酢和え

「お父さん、これ固い。」

食べた娘が文句をかます。彼女は子供の頃から歯が弱くて、固いものを食べるのが苦手なのだ。

そんなに固い?

私も食べてみる。固くはない。適度な歯ごたえと食感があってむしろいいではないか。でも、これは娘には厳しいかも。いや、なかなかこいつも美味い。酒が進む。

明太ポテト

見た目ではこれが明太ポテトだとは分からない。明太好きの娘のオーダーだ。

島田によると、ここ西東京市はきゃりーぱみゅぱみゅの出身地なのだとか。確かに店内にもサインがある。

島田と娘と三人で話が弾む。芸大を目指す娘とカメラの話で盛り上がる。明るいレンズで自然なボケにこだわる私と、アプリでボケも湯気もつければ、撮影がラクと仮想現実派の娘。結局、撮影なんて自己満足なのだから、それで用が足りるのなら楽して構わないと思うが、自分としてはつまらない。こだわって撮るのが楽しいのだ。趣味だし。そういう私だってPhotoshopで必ずレタッチしているから、似たようなものか。

ネギタン塩炒め

ネギとカツオがいい香りだ。

ネギ塩奴

美味い。

浅漬け

イマイチだ。

「これなに?」

娘がつぶやく。つまんだ漬物の名前が分からないらしい。

「野沢菜だよ。」
「ああ、これが?!」

娘が感心した顔で言う。なんでも、コミックだかアニメだかで、野沢菜が決め手になり犯人が分かった話があったのだけど、娘は「野沢菜」が何なのか、分からなかったのだとか。

北京には野沢菜がないからなあ。

タルタル鶏肉

カラッと揚がった鶏肉は柔らかく、タルタルソースとの相性もいい。酒が進む。この店はネギの使い方が上手い。

うずら

甘めのタレが白身に染み込み、黄身の持つ玉子本来の甘みと調和している。台湾の鉄蛋を思い出させる味だ。まるで煮玉子だな。

かなり飲んだ、食った。さあ、帰ろう。タクシーで娘を送り、自分もホテルに戻った。

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