締めのステーキ
飛騨ホテルプラザの宴席を終えて、高山の繁華街に繰り出し、個室でガンガン飲んだ、いや、呑まされた。2時間ほどが過ぎ、二次会もお開きになったので、ラーメンで締めようと考えていと。なぜなら次の一言がいまだに信じられないのだ。
「高山では深夜にラーメンが食べられないんですよ。」
これだけ飲み屋があるのに、締めがなくてどうするのだ。だから、締めのラーメンに行くのだ!と言う私の主張は一顧だにされず、鈴木の次の一言で三軒目がすでに決まっていたことを知った。
「次、高山牛を食べに行きますよ。」
ああ?!締めにステーキだぁ?
ここは沖縄か?!
上等だ。食いに行こうじゃないか!
繁華街をフラフラと歩く。いつの間にか地元民が我々を先導してくれている。あれ?どこで合流したんだ?まあ、いいか。
こうして連れてこられた店は「ビストロ ボンヌ」。意外だった。ステーキ店ではないのか。私の言葉に「地元民が連れて来たのだから、黙って食べてなさい。」と鈴木が上から目線で話しかけてくる。目の前では赤ワインが開栓されている。またもや宴の始まりか。
深夜のビストロ
よほど腹が減ったのか、カルボナーラを注文した者がいた。見た目にも美味そうだ。さすがに一人で食べるのはキツイのか、一口勧められる。
実は私は腹が減っていないのだが、こんな美味そうなものを前に、据え膳食わぬは…ではないが、一口いただく。コクのあるチーズたっぷりのソースがパスタに絡みついて絶品。酔っ払いが美味しいということは、塩加減も強めなのかも。
ワインを飲む。
次は地元民オススメのムール貝。この店の名物らしい。クラッカーにのせて食べる。これも貝の臭みがまったくない。濃厚な味でワインに合う。
ワインが進む。
これがうまいのならばとエスカルゴを注文。間違いない。これまた旨い!私以外、誰も手をつけないので独り占めだ。
ワインが進む。
骨付きラム
そして、地元民一押しの骨付きラム。こんなに腹がキツイ状態で、こんな重いもんが食えるかっ!との私の発言に対して、地元民が「食べれるから食ってみろ。」と言い返す。「とにかく食べてみろ。」としつこい。そこまで言うならと、肉を口に入れると…なんだこれ。ものすごく柔らかい。そもそも私は羊好きなのだ。生まれも羊年だ。いや、疑って悪かった。これは別腹だ。美味いよ。
ワインが進むじゃないか!
旨い旨いというのは覚えているが、細かい味は覚えていない。なんせ三件目だ。二件目で何度かハイボールを一気飲みさせられている。私だけではない、全員が間違いなく、かなりの酔っ払いだ。いわゆる「酔客」だ。
飛騨牛ステーキ
最後はやっぱり、飛騨牛のステーキ。「サーロインじゃないのかよ!」と文句を言うのもいたが、旨い!柔らかい!これしか覚えていない!そして、すぐに皿が空になったことも覚えている。
あー、もう打ち止めだ。飛騨牛は十分に堪能した。しばらく牛肉はいいよ。
ワインが何本開いたのだろうか。いやー、酔った、食った。さあ、帰ろう。まさか今からラーメンとか食べに行かないよなあ。
で、私はどうやってホテルに帰ったんだろう?
深夜のラーメン屋はどうなったかだって?ああ、結局、前日にラーメン屋を案内した地元民が、夜中のラーメン屋を知らなかっただけだと言うことで、そのあとは個人攻撃の罵詈雑言で終わったのだった。
「使えねぇっ!」
ビストロ ボンヌ(食べログ)
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)