海南鶏飯

台湾 台北市 台北101世貿駅 豊富堂 海南鶏飯

台北市 豊富堂

さて、ランチタイムだ。台湾と言えば、なんと言ってもB級グルメ。牛肉麺に魯肉飯、牛腩飯、搾菜肉絲麺に焼鴨飯。台湾での取引先に勤務する谷川さんは台湾生まれの沖縄育ち。日本語と中国語が堪能な若者だ。彼の案内でランチ街へと赴く。昼時は少し過ぎたと言え、まだまだ人が多い。こういう下町っぽいところで食べるのは大好きだ。店には南国のフルーツがたくさん並んでいる。

実は彼が一押しの店が満席で入れなかったために、次点の店に行くという。ただ、そこは台湾料理ではなく、海南鶏飯(ハイナンジーファン)の店だとのことだ。ハイナンチキンライスと言えばわかる人もいるだろう。札幌の狸小路にも専門店があり、一度行ってみたかった。シンガポールに行ったときにも食べたことがある。つまり、シンガポール名物の料理なのだ。

おお、なんだか好みの店だ。中華圏はこういう店がいいんだよねぇ。うーむ、カレーチキンライスやチキン冷麺もなんだか旨そうだ。二人で店に入る。

メニューを見ることもなく、海南鶏飯をオーダーする。店員が総菜を選べという。五種類の中から三種類を選ぶと、チキンライスの皿に載せられるようだ。

昆布と白菜とよく分からない野菜をセレクト。何が出るかな、何が出るかな。ドキドキでござる。

店の奥に調味料やら箸やらが置いてあるので、取りに行く。

海南鶏飯

いよいよ食べれるぞ。プレートの中央にこんもりとごはんを載せ、チキンをドカンと置く。反対側に付け合わせの三種総菜が鎮座する。

まずはスープ。なんだ、この癖のある味は。谷川さんが言った。

「これ、調味料入れすぎですよ。カップ麺と同じ味がしますよ。」

うーん、日本のカップ麺とは明らかに味が違うが、何だか分からない、妙な刺激のある味だ。グルタミン酸の入れすぎなのだろうか。

まずは付け合わせの総菜から食べてみる。昆布の炒め物はまあまあ。白菜もこんなものか。では、このよく分からない野菜は…え?この白いのは、ゴーヤー(苦瓜)?よくよく見てみれば、確かに色は白いが、形はゴーヤー。ふーん、こんな炒め物もあるのか。いずれも、鳥の味がしみ込んだチキンライスのお供にふさわしい。

それではメインをいただこう。久しぶりの対面だ。柔らかく、ほのかにエスニックが香る鳥肉はやわらかく、噛めば口の中に肉汁があふれてくる。これだよ、まさにシンガポールで食べた味。ああ、あのときは元妻がブランド物を買いすぎて、成田の税関で止められて大変だったなぁ。おそらく、私が今までの人生で一番裕福な時期だったと思うが、自分で使える金はほとんどなかったなぁ。

今はそれほど金があるわけではないが、生活に困ってはいない。心の平安がある。幸せだ。

そのまま食べてもよし、甘辛いソースをつけるのもありだが、個人的にはそのまま食べる方が好きだ。これは好みのわかれるところかもしれない。

日本ではなかなかお目にかかれない食が気軽に食べられる。これが中華圏のいいところだ。特に台湾は歴史的経緯から、この島であらゆる中国料理を食べることができるのが魅力だ。そしてB級グルメがたまらない地なのだ。今回は時間がなくて二食しか食べられない。いつか家族でゆっくりと食を楽しみに訪れたいものだ。

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