福松 並蕎麦

北海道のそばを味わう 岩見沢 福松(ふくしょう)

今日の夕飯

窓際の席だったので少し雲は多かったものの離陸してしばらくは景色を楽しむことができた。関空で乗り継ぎ、千歳に着いたのは夕方だった。レンタカーを借り岩見沢へと向かう。実は機内で一通のメールを受け取っていた。

「本日の会議は19時開始予定でしたが、都合により19時半開始とします。」

これだと会議が終わるのは21時半だ。それから食べに行くと22時。食事ができる店は閉まっているか、開いていても食材が切れている可能性が高い。これは先に夕食を済ますべきだ。さあ、酒なしでこの時間に食べられる店はどこだ。ああ、蕎麦だ。福松(ふくしょう)に行くチャンスじゃないか。

それは岩見沢駅からクルマで5分ほどのところにある手打ち蕎麦の店だ。特に真っ白で細打ちの更科蕎麦は見た目も美しく、喉越しも食感も味も私の好みにぴったりなのだ。だがこの辺りでメジャーな「鳥モツそば」を食べたことがない。夜に行くのも初めてだ。

車を停めて店に入ると、何組かの客が食事をしていた。やはり鳥モツそばを食べていた。この店では更科、田舎、並粉の三種のそばがあるのだが、更科と田舎は売り切れだという。並粉の鳥モツせいろを注文する。

鳥モツせいろ

更科蕎麦

しばらくして運ばれてきたそれは、想像していたものとだいぶ違っていた。せいろを温かいつゆで食べるとは思っていたが、ものすごい油が浮いている。てっかてか。

箸で中をさらってみる。なかなかの量の、そしてバリエーション豊かなモツが入っているのがわかる。油はこれらから出たものなのだろうか。

蕎麦は普通に美味しそうだ。蕎麦を箸でとり、つゆにつけ、口に入れる。わかってはいたが油でこってりだ。蕎麦は程よいコシと滑らかな喉越し。美味いのだが、やはり私は更科が食べたかった。一日限定10食なのだから夜まであるわけがないのだ。

並粉蕎麦

モツを食べてみる。柔らかい。少し脂っこい気もするが、これくらいコッテリしたラーメンならさほど珍しくもない。しかしこいつは蕎麦だ。ふと一味を入れ忘れたことに気づき容器を取って振り入れる。味がキリッと締まる。こちらの方がうまいんじゃないか。

福松蕎麦

蕎麦はうまい。鳥モツも悪くない。コッテリも好きだ。だが私はこの店の普通のせいろの方が好きだ。店の名前を冠した「福松蕎麦」もいいのだが、普通に天せいろを食べてみた方がいいな。昼の早い時間に来て更科で天せいろ。きっとこれが正解なんだ。

福松蕎麦

食べ終えた私は静かに箸を置いて席を立った。支払いを済ませて店を出る。とりあえず蕎麦は食えた。腹も落ち着いた。さて、気持ちを切り替え、ホテルにチェックインして会議に向かおうか。

手打ちそば 福松(食べログ)

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