鳥元 新宿西口本店
本日の夕餉(ゆうげ)は新宿にある焼き鳥屋だ。定例会である。ここ数ヶ月、新宿では負けが続いている。微妙だったり、要再考だったり、ここは我々が来る店ではないと感じる状況が改善できていなかった。本日の会場はかなり検討を繰り返したとのことだ。
メニュー
さて、なにを食べようか。
店に入ると、先方はまだ来ていなかった。奥の個室席に通される。メニューを見る。まずは本日のおすすめ。焼き鳥店でパクチーサラダとは。伝統の庶民は日本料理店でエスニックの雄、好きな人と嫌いな人が極端に分かれる、毀誉褒貶激しい食材、欧米名コリアンダー、中国名香菜(シャンツァイ)であるパクチーが食べられる時代が、ついにやってきたのか。二十年前から好んで食べている私に、平成も終わりを迎える頃になって、ようやく時代が追いついたのか。
感慨深い。
通常メニューにも目を通す。希少部位が充実しているのが、専門店の証であろう。「そり」があるではないか!ソリレス、フランス語では「食べないやつは愚かだ」を意味する。過去に食べた記憶は無いが、事実はある。
鶏肉以外の串も充実している。これは楽しみだ。何から食べようか、思案しているところに中本氏が到着した。尋ねてみると、彼もエスニック系はぜんぜん問題なしだという。ならば、行くしかあるまい。前菜はパクチーサラダで決まりだ。
パクチーサラダ
レモンをたっぷり搾って食べる。パクチーの鮮烈な香りにレオンの酸味とタマネギの辛みが混じり合って、複雑な味わいを醸し出す。うん、いいよね。香り野菜は美味いよね。
シシトウ
揚げるか焼くか、シンプルな調理法が似合う食材だ。自宅で使うことは滅多にない食材でもある。美味い。
ラム串焼き
スパイシー味をチョイス。味付けは予想通りクミンである。中華でも羊肉によく使用される調味料だ。カレーにも使われる。個人的にも好みのスパイスだ。羊は美味い。
イワシの刺身
青魚好きの私が見逃すはずもない。 見た目にも美しく、臭みもなく、脂がのって美味い。ああ、イワシ料理専門店に行きたいなぁ。久しく訪れていない気がする。
鶏皮
少し硬いかな、ややかりふわである。塩加減はちょうどよい。
そりと振袖
そりは脂がそれほどのっていない、柔らかくて美味い。今回はしっかりと記憶がある。振袖は対照的。脂がのって柔らかくて美味い。鳥の味を楽しめる二品だ。焼き鳥用の大根おろしには柑橘の果汁が入ってる。油をさっぱりとさせてくれる。
つくね味噌ダレ
タレの辛味と黄身の甘さとコクが、まったりとした食感のつくねを引き立てる。コリコリするのは軟骨かな。食感も味わいもなかなか美味である。
ごちそうさま
この店、トイレが二階にしかないので、案内された席からはやたら遠い。その上、トイレの鍵をかけるのにコツがいる。トイレ自体はきれいだし、温水洗浄便座なのだが、飲むとトイレが近くなる私には強敵であった。
帰り際、カウンターで一人ビールジョッキを傾ける白人女性がいた。メニューを見ながら変な顔をしていたが、もしかして焼き鳥を初めて食べるのだろうか。
やはり、東京は国際的だ。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)