新庄駅 とんかつ とん八 とんかつ&三元豚生姜焼膳

新庄駅ディナー

山形県新庄市。初めて訪れた。明日は朝から夜まで予定が詰まっているために、前日入りしたのである。昼は石巻で海鮮丼を食べ、途中、小僧不動の滝を観光してから新庄に入った。宿泊はルートイン新庄駅前。新しく整備されたロータリーとパークライド用の大規模駐車場に公園が整備されている。

つまり、何もない。

反対の西口が街の中心のようで飲食店も数多くあるようなのだが、行きたくない。なぜならば、この時間帯は全国から私と同じ目的で集まった、タチの悪い酔っぱらいが数百人ほどウロウロしている。もし発見されて捕獲されてしまえば、私も仲間入りだ。まさしくウォーキングデッドである。何もない東口であれば出くわすことも無いだろう。

だから、どうしても、ホテル周辺で食事を済ますしかないのである。そうだ、国道を歩けば店の一つや二つあるのではないだろうかと思い、ホテルを出た。道は真っ暗だ。だが、交差点の方に白い灯を見つけた。あそこに行ってみよう。

とんかつ とん八

暗闇を彷徨った結果、たどりついたのは地元のトンカツチェーン店のようだ。飲み屋というより、食事をする店だ。

店内の座席配列から推察すれば、ファミレスと呼んでも差し支えないだろう。一人用の小さなテーブル席に座る。寡黙に夕食をとる一人客が多いようだ。店内は静かだ。

肉、米、キャベツともに地元さんにこだわった店のようだ。すべてにコストを優先する大企業ではできないことだ。これだから地元チェーンは楽しい。

メニュー

さて、何を食べようか。芋煮トンカツ膳。山形県外の店で見かけたら歯牙にも掛けないだろうが、地元の地元企業による地元のためのメニューとなると心が動きそうになる。

まずはスタンダード。

こだわりのオリジナル。

ボリューム主義。

サイドメニューもなかなかのものだ。

基本に忠実にと考えていたが、ここはボリューム主義からトンカツと生姜焼き。さらに生ビール。晩酌は君で決まりだ!

とんかつ&平田牧場三元豚生姜焼膳

トンカツ店のお約束といえば、セルフゴマすりである。年季の入った専門店では客にこんな手間はかけさせない。黙って出てくるのを待つのがルールだ。しかし人生経験の短い若者やわがままで短気な性格の人間には、手持ち無沙汰にさせない心配りが少し嬉しいのである。七味は芋煮用だろうか。

ソースにはコクを出すためにくるみが入っていると説明されている。調べてみると山形県のクルミ生産は国内3位、そのシェアは1%である。8割近くが長野さんとのことで、まあ、庄内地方では昔からクルミの産地であるようだ。

先に運ばれてきた生ビールには口をつけず、トンカツの到着を待ちわびる。背後から足音が聞こえた。私の脇を通り過ぎると音が止んだ。そう、ついに「とんかつ&平田牧場三元豚生姜焼膳」が運ばれていたのだ。

いただきます。

キャベツがみずみずしい。薄くて小さくて嫁がカットしたキャベツスライスのようだ。同じ道具とキャベツを使っで、私が切ると嫁のようにはならない。これだけは嫁にかなわないのだ。ドレッシングはごまどれ、甘い。塩をかけてみる。親父を思い出すなあ。ちょうどいい。酒田の塩か。伯方の塩ではないのだなと駄洒落を心の中で言う。

少し辛口の生姜焼きは私が求める味である。美味い。キャベツともマッチする。これだよ、コレ。ピリッと生姜の効いた味付けなのだ。ピーマンと玉ねぎの火加減も良い。

辛子が辛い。すごく効いている。

とんかつは肉が薄め。味はいい。しっかりと油と肉を堪能できるが、この厚みでは塩で食べることが難しい。残念だ。

キャベツおかわり。ビールもおかわり。アルコールはビールしかない。今日は喉が乾いているのか、珍しくおかわりだ。

地方に来るとご飯が無条件にうまい。水がいいせいなのだろうか。反則技だといつも思う。沖縄も地方ではあるが、水が硬い。自宅ならともかく、巷で流通しているのは無名な産地ばかりだ。ビールに合うおかずがご飯に合わないわけがない。生姜焼きもトンカツもご飯が進む。ビールも進む。ご飯を食べながら酒を飲む奴は気持ちが悪いと親父が生前言っていたが、私は無視である。私は食べたいのである。

ボリューム主義は伊達ではない。珍しく生ビールを二杯飲んでフィニッシュ。満足だ。帰りにコンビニで缶ハイボールを買ってホテルに戻ろう。

明日は何が食べられるかな。

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