ネギ味噌ラーメン

新千歳空港 味噌ラーメン けやき ネギ味噌ラーメン

味噌ラーメン けやき

いつもなら北海道からの帰りは、食材を買うのが常なのだが、今回は買う気がしない。家に帰っても誰もいない。いや、明日はけいたまと一緒に過ごすから魚を買おうかとも思ったのだが、またすぐに出張なので、食材をダメにする可能性が高い。実家に行く時間的余裕もない。

トボトボと札幌駅に行くと、そのまま改札を抜けた。快速エアポート号のUシートが満席だ。しかし、こいつには裏技がある。10分ほど一号車で並べば、一人がけの快適な席をゲットできる確率が高いのだ。だから最近はUシートを買う機会が減った。お金もかからないし一石二鳥だ。

フライトは1時半。今はお昼過ぎ。多少混んでるだろうが、ラーメンなら回転が早いだろう。味噌ラーメンが食べたくなった。荷物を預けると早速ラーメン道場に向かった。本日のターゲットはけやき。ここのラーメンはお土産でもよく買うのだ。

店内は昼時で混んでいいた。女性の一人客が多い。私の前に並んでいた女性はポケモングッズで身を固めていた。日本人だろうか。ほどなくしてカウンター席に通される。ポケモン娘は私の左側に座った。彼女のオーダーは味噌バターコーンラーメン、右側の一人女性客も同じものを食べていた。

メニュー

さて、私は何を食べようか。

ネギ味噌ラーメンにしよう。

この店は一杯一杯、鍋を振って作ってると書いてある。まあ、実際には何杯かまとめて作るのだろうが、基本的には伝統的な札幌味噌ラーメンだ。ここの土産用ラーメンを自宅で作るときも、肉と野菜を中華鍋で炒めてからお湯を入れて、添付の味噌調味料を入れる。ゆでた麺を温めたどんぶりに入れたら、中華鍋の中身をどんぶりにぶちまけて、玉子を落とすのだ。

ネギ味噌ラーメン

私のラーメンが運ばれてきた。まずはスープを飲む。熱々だ。パンチのない優しい味が胃に染み渡る。ああ、いいなあ。もう一口。まるで味噌汁かのように飲んでしまう。早く麺を食べねばと思うが、あと一口、あと一口とスープを繰り返し飲み続けた。

さて、お次は麺だ。ツヤのある中太縮れ麺。チャーシューもメンマもない。鍋でひき肉と野菜を炒めた、昔ながらの具沢山味噌ラーメンだ。脂の甘み、野菜の旨味、味噌のコクが一体となって作り出される優しい味はまさに協奏曲(コンチェルト)。

しかし人は優しさだけでは生きてはいけない。刺激を求める悲しい性(サガ)を背負った生き物なのだ。スープがなにか物足りない。正直に言えば飽きてきた。なるほど、バターでコクを足せば、さらに美味いはずだ。両隣の女性の選択は正しい。

かと言って今の私はバターなど持たぬ。できることはなんだ?味を広げる可能性はないのか?私に刺激を与えるものはないのか?ん?目の前の粗挽き唐辛子があるではないか。こいつを入れたらどうなるか?文字通りに刺激が加わるだろうか。

少し入れてみた。

辛くない。

唐辛子を追加投入する。やはり辛くない。それよりもスープの味が広がった。深みが出たとでも言おうか。不思議だ。これは美味い。食べ続けるうちに、頭から汗が吹き出てくる。カプサイシンが効いてきたのだ。間違いなくこいつは辛いのだ。それがラーメンに入れると、味噌スープの潜在力を引き出すではないか?!

唐辛子も奥が深い。

食べ終わる頃、スタッフが冷たいおしぼりを持ってきた。嬉しいサービスだ。思わず汗を拭いてしまった。気持ちいい。

さあ、沖縄に帰ろう。

味噌ラーメン けやき

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