豚丼 寿々庵
私は沖縄の会社に勤めているが、二年前に東京支店ができた。出張で月に何回かは東京に泊まるのだが、社宅は芝商店街の中にあるので、また縁ができたようにも思うが、自分で料理をしなければ商店街の魅力は半減する。それに芝商店街は飲食店ばかりで、下町の商店街とは趣が異なる。
そんな芝商店街に、以前から気になっていた店がある。豚丼の店だ。豚丼とは北海道帯広市が発祥のB級グルメだ。今日はなんだか酒は控えて、飯が食いたい。居酒屋はパスだ。商店街にはやたらと中華料理店があるのだが、そんな気分ではない。おお!ついに寿々案を訪れるチャンスがやってきたではないか!
メニュー
メニューは写真の通りだ。熟考の上、しょうが豚丼(並)にみそ汁+キャベツセット、そして温泉卵にする。味噌汁とキャベツを別々に買うと180円だが、セットだと150円になるのが嬉しい。
まだ8時前だからなのか、店には若いカップルが一組だけだった。割と暇な店なのかと思いきや、客がいないのにも関わらず、店主はせっせと豚丼を作っている。しばらくすると、カウンターの奥の窓が開いた。ここから豚丼をテイクアウトすることができるのだ。持ち帰る客の方が、食べて帰る客よりも多い。テーブルにはドレッシングと、かわいいブタの楊枝入れが置かれている。
豚丼 しょうがセット
さあ、私の豚丼が出てきた。見た目はうまそうだ。肉の上の生姜が美しい。さっそく食べてみる。肉はとても柔らかい。箸でちぎれるほどではないが、簡単にかみ切れる。十和田バラ焼きが豚の脂を味わう料理とすれば、これは肉の旨味を堪能するどんぶりだ。
みそ汁の長ネギがシャキシャキしていて、食感もよく、塩加減もちょうどいい。コメもうまい。タレをたっぷり吸った米と、タレがたっぷり絡んだ豚肉にショウガの千切りと温泉卵が混然一体となって輝き、口の中でパンチのない、やさしい甘辛さが広がる。これも豚バラ丼とは逆だ。
キャベツも十分に薄く、食感よく、店で切ったものだろうか。工場で切ったキャベツスライス特有のパサパサ感がない。これにシーザードレッシングがなかなか合う。個人的にはキムチよりも浅漬けが欲しいところだ。
これは人気が出るはずだ。自宅で好みの惣菜と食べるのもアリだ。店にはビールしかないが、ハイボールを飲みたい気分だ。次回はニンニクをテイクアウトし、社宅でプチマルエツで買った惣菜とハイボールを飲みながら、ゆったりと食べてみよう。
豚丼 寿々庵(食べログ)
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)