宮城県仙台市 国分町 伊達の牛タン本舗
ランチを食べに行くことにする。皆が牛タンを食べたいと言う。確かに、ここは牛タンの本場だ。仙台では食用牛をそれほど生産していない。仙台牛というブランドはあるが、近年できたものであり、Aランク5の肉しか仙台牛と名乗ることができない。仙台の牛タンはほぼ米国産を使用している。国産牛のタンは高級料理店に回されるためだ。オーストラリア産では風味や食感が変わってしまうという。
なんと世界的に牛タンをこれほどまでに食べるのは日本人だけで、海外でも食べる地域はあるものの、盛んに食べているわけではないそうだ。通常なら捨てる部位が日本に輸出できる。米国の業者は「こんなもの、日本人はマジで食うのか?」と思いながら出荷してるのかもしれない。
この人数で入れる鉄板の店。仙台市民であり、女子社員でもある、小柄で華奢な竹原さんが答える。
「伊達の牛タン本舗なら間違いありません。」
全員が合意する。
目的地までは会社から徒歩で十分ほどだ。牛タン専門店といえば、木造店舗をモチーフとした、和風のデザインを思い浮かべるのだが、まるでニューヨークのレストランを思わせる内装だ。ちなみに私はニューヨークに行ったことがない。自動ドアをくぐり、モダンな階段を上がると、ジャズの流れるシックな店内が現れる。本当に牛タン店なのか?メニューが創作料理みたいになってるのではないか。一抹の不安がよぎる。
窓際の明るい席に通された我々一行は、ランチメニューを見定めた。ローストビーフ。牛タン。どちらも食べられるのが今日のランチ。これだろう。竹原さんのみ牛タンミックス定食を頼んでいた。改めて店内を見るが、オシャレだ。
今日のランチ
さて、ランチがやってきた。想像してたよりも豪華というか、華やかだ。ご飯は当然、麦飯だ。
ローストビーフは大きくて薄いものが好きなのだが、なかなかお目にかかれない。その上に見た目にも美しく焼き野菜がアレンジされている。
サラダもみずみずしくて美味しそうだ。
牛タンは厚め。味噌味だ。これは楽しみ。
皆でワイワイと話しながら食べる。
「牛タン、うまいですね。」
「ローストビーフ、柔らかい。美味い!」
「焼き野菜も美味しいですよ。」
牛タンミックス
美味い食事をすると話が弾む。竹原さんの牛タンミックスは、見た目には結構な量だったが、彼女はペロッと食べていた。
全員が満足して食事を終えた。
「やっぱり、伊達の牛タンはおいしいですね。」
竹原さんが確かめるように呟いた。さすがに地元民だ。鉄板というだけある。
さあ、飯を食ったら、次は仕事だ。のどかな定禅寺通りをゆっくりと歩きながら、秋の気配を楽しんだ。
伊達の牛タン本舗(公式HP)
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)