仙台 大同苑 塩焼き物盛合せ 名物ネギタン塩 上タン塩 特製タン裏塩焼き

仙台 焼肉・冷麺 大同苑 仙台牛 名物ネギタン塩とブリスケ

焼肉・冷麺 大同苑

北海道から仙台への移動を終えて、夕方からは会議だ。白熱した二時間を過ぎて食事会の会場へ。仙台の夜と言えば、もちろん国分町である。たどり着いたは焼肉・冷麺、大同苑。

メニュー

店頭には液晶ディスプレーの看板が設置されている。最近はこのような媒体が増えてきた。様々な情報を映し出せるのがいい。

店に入るとワインの品ぞろえが目に入る。この店にはソムリエがいるのだと、同行者が説明する。ふーむ、牛肉にワイン。素晴らしいが、この数年はワインと日本酒を控えるようにしている。

「遅かったね~!」

個室に通された我々を出迎えてくれたのは、地元の大手蒲鉾メーカーの社長だった。数年前、私は酔って、いや、酔わされて、この社長の名刺入れを持って帰ってしまったことがある。

前菜

一品目は大同苑サラダ。コチュジャンが効いた味付けにみずみずしいシャキシャキ野菜。食前に適した一品だ。食欲が増してくる気がする。そういえば中国料理にそういうのがあったな。

続いては自家製キムチ。これもそつない味だ。好みだ。辛いのが好きではあるが、辛みだけのキムチはいただけない。旨味と辛味、まさに旨辛に甘みが加わったのが、いわゆる「キムチ」の必須条件だと思っている。ちなみに「キムチ」とは「漬物」という意味なので、辛いものばかりではない。「ムルキムチ」は水キムチと表記されたりするが、これは野菜の浅漬けでまったく辛くない。日本ではなかなか食べる機会がないキムチなのである。

レアステーキ

三品目はレアステーキ。なるほど、これはユッケだ。生牛肉をメニューに出してはならない現在、各店が知恵を絞って、ユッケの代替品を開発している。「出ない出ない」とあれほど言われたパチスロ五号機も、メーカーの努力で万枚が出るようになった。同じことだ。

ステーキと銘打っているが、食し方はユッケそのもの。全体をぐちゃぐちゃに混ぜていただく。レアステーキの独特の食感を舌で堪能すれば、口の中でとろける牛脂の香りがタレと混ざり合い、極上の旨味を口の中で醸し出す。いいねえ。

牛アキレス腱のフグ皮風

なるほど、確かに味わいは似ている。どちらも味はほとんどない。味付けと食感を楽しむ食材である。酒の肴である。珍味である。コラーゲンなので、体にはいいのかもしれない。

そもそもコラーゲンは人間の体内にも多く存在するが、原料はアミノ酸である。食べたコラーゲンは胃でアミノ酸レベルまで消化、分解されてから腸で吸収される。体内ではアミノ酸を原料として各種たんぱく質が生成される。コラーゲンを食べても、コラーゲンの生成に回されるとは限らないのである。コラーゲンを食べても、コラーゲンの生成が促されるわけでもないのである。但しコラーゲンの生成にはビタミンCが欠かせないので、フグ皮ポン酢は栄養学的にも理にかなっているのである。

牛タンのねぎまみれ

ここは仙台、牛タンを避けて通るわけにはいかない。むしろ牛タンが大きくフューチャーされているはずである。水にしっかりとさらされたネギは辛みが抑えられて、牛タンとマッチする。これはたくさんねぎを食べよう。

焼き物盛合せ 名物ネギタン塩

まずは塩焼き物盛合せ 名物ネギタン塩 上タン塩 特製タン裏塩焼きである。見た目から迫力がすごい。

特に名物のねぎ焼きは、牛タンで白ネギのみじん切りを包み込み、万能ねぎで縛り上げた一品だ。ネギタン塩は大好きだが、常々、役とネギが焦げてしまうことが不満であった。たっぷりのねぎを薬味として食べたい。でも、少し熱を加えた方がほんのりと甘みが出る。とは言え焼いてしまえば焦げて元も子もない。古来から牛タン塩マニアを悩ませてきた課題に正面から挑み、解決方法としての一提案。これぞ企業努力、まさに日本の中小企業である。

難点は焼き方が難しいこと。言ってるそばから地元民が牛タンを束縛しているねぎを焦がし、白ネギの脱出を許してしまう。中の供物をこぼしてどうするのか。和牛なのだ。仙台牛なのだ。さっと色目が付けば食べられるのだ。がっつり焼こうなどと考えてはならないのだ。

これを一口で食べる。

牛タンから染み出た肉汁をネギがしっかりと受け止め、混ざり合い融合する。二つの香りが鼻孔を抜ける。おお、これは美味。 上タン塩は言わずもがな、特製牛タン裏塩焼きがたまらない。 ワインが欲しいぞよ、などとのたまっていたところ、本当に赤ワインが出てきた。ソムリエおすすめの銘柄だそうだ。

タレ肉盛合せ

ハラミ、仙台牛ロース、仙台牛ブリスケカルビ。

ハラミはもう見るからによだれが出そうだ。刺しの入った、脂がのった、生のままで食べられるんじゃないかと錯覚しそうな、おそらく口に入れればとろけてしまいそうな肉である。和牛万歳なのである。軽く両面を炙り、もう一度タレにくぐらせる。こうして余分な脂を流し去り、口に入れる。うん。ここでワインじゃ。うむ、至福であるぞよ。

ブリスケとは肩バラ肉のことで、英語ではbrisketと呼ぶのでブリスケになったそうな。 味の濃い、希少部位だとのこと。商品化する肉屋は少数派らしい。

こいつもさっそく焼いて食べる、旨い旨い。ワインも入って、会話も盛り上がって、味をメモする余裕などない。おまけにいつの間にか私が鍋奉行、いやロースト奉行になっているため、メモなどできるはずもない。

新鮮ホルモン盛合せ

肉は熟成させて食べるものだから鮮度は求められない。しかしホルモンは内臓である。鮮魚と同じである。足が速いので、鮮度が良くなければ美味しくないのだ。ハツ(心臓)、コブクロ(子宮)、上ミノ(第一胃)、ギアラ(第四胃)、コテコテホルモン(腸)の五種類。いや、ワインもあるし、おなかもだいぶ膨らんで、さすがに脂コッテリ系がきつくなってきた。

冷麺

締めはもちろん盛岡冷麺である。シンプルで見た目にも涼し気である。透明感のある麺が食欲をそそる。さっぱりしたものが食べたいのだ。

するすると胃に納まっていく冷麺。ああ、コッテリの次はあっさりなのだ。これで締めなのだ。脂ぎった肉をあっさり冷麺でふたをして胃に閉じ込めてしまうのだ。あとは消化を待つのみである。

デザート

五十路のオヤジが締めにプリンなぞ食えるか!と思ったのだが、食べてみた。なんじゃ、こりゃ?滑らかでレアチーズのような舌触りである。これはすごい。うまい。

ご馳走様。いろいろ堪能しましたが、ワイン飲みすぎました。え?もう一軒、ワインバーですか?マジですか?お付き合いします。

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