LOHAS ココナッツカレー十割蕎麦

北海道札幌市 狸小路 Lohas ココナッツオイルカレー蕎麦

狸小路 Natural & Raw Foods Lohas

札幌市狸小路。午後の便で千歳から羽田までのフライトに乗るので、ランチをホテル近くで摂ることにした。あまり開いている店はないのだが、ふと「自家製面 十割蕎麦」の文字に目を惹かれた。

ロハスカフェだろうか。蕎麦が似つかわしくない店構え。さらにメニューを見る。我が目を疑った。

「ココナッツオイルカレー十割蕎麦」

なんと!革命的かつ独創的かつ斬新かつ奇抜かつ個性的な一品ではないか!!!!

スープカレーと蕎麦のどちらを食べるか悩む私に差し込んだ一条の光、さらにエスニック好きな己に閃きをもたらしたココナッツカレーと日本が誇る伝統食のコラボ。

こんなことがあっていいのだろうか?人として許される行為なのだろうか?

ラーメン屋に並ぶ観光客を尻目に私は店に入ろうとした。

ん?

入口がわからん。

お、ここか。

店内

店の中は落ち着いた内装、静かな雰囲気、鳥のさえずりが混じり合ったヒーリングミュージックが流れる。スタッフは清楚な雰囲気の若い女性。

またもや場違いな店に入ってしまったか。

そんなの関係ない。

オーダーはもちろんココナッツオイルカレー十割蕎麦、野菜サラダドレッシング抜きである。蕎麦つゆを口にするのだから、減塩主義の私は、そばつゆに含まれてる塩分と等量をドレッシングからマイナスする。まさに塩のトレードオフ、命の等価交換なのだ。

しばらくして一人客が入ってきた。予想通り若い女性だ。またもや一人の客が訪れた。こちらも若い女性だ。私は若くないおっさんだ。

どないせえっちゅーねん!!!

彼女たちはいずれもカモミールティーを楽しみながら、静かにスマホを操作している。平成ならば、喫茶店で一人静かに読書にいそしむと光景であっただろう。昭和ならば…わからん。私が未成年なうちに昭和天皇は崩御されたのだ。

ココナッツオイルカレー十割蕎麦

女性スタッフが蕎麦を運んできた。ココナッツの香りが心地よい。大好きな匂いなのだ。細い麵の十割蕎麦、色とりどりのカラフルな野菜サラダ、そして黒い器にたたずむ蕎麦つゆからはエスニックが薫る。

これは蕎麦切りではないな。おそらくヌードルメーカーで作った十割蕎麦だろう。パスタのように丸い。福住の蕎麦もパスタのようだったことを思い出す。蕎麦を一本摘み上げて食べてみる。滑らかでコシもある。喉越しも良い。なかなかいいぞ。続いてはつゆにつけてみる。

ココナッツオイルがほんのり香る蕎麦つゆからは、スパイシーなカレーの匂いも混ざっている。だが、ほぼほぼそばつゆである。いわゆるカレーうどんのような雰囲気ではない。九割がたは蕎麦つゆだ。ココナッツオイルとカレーは風味だけと言えよう。オプションの極微小に破砕された七味も特徴的である。

サラダはみずみずしく、食感もシャキシャキだ。ドレッシングがなくとも素材の味をしっかりと確かめることができる。このボリュームで500円と言うのはいかがなものかと思ったが、今は街が雪化粧し、銀世界が広がる札幌だ。北の大地はすべて雪の下に隠れ、野菜など収穫できぬ。それが北海道の冬だ。生鮮野菜はすべて南方から運ばれてくる。高いのは当然なのだ。

ドレッシングをかけていないので、それぞれの素材をダイレクトに味わうことができる。当初は戸惑うこともあったが、慣れてしまうと、今までに気づかなかった野菜の魅力を見いだすことができるので、最近はそのまま野菜を食べることに少しはまっている気もする。

だが、本音を言えば、オリーブオイル程度はかけて欲しかった。美幌の店なら、間違いなくやってくれただろう。

めんつゆの具はネギ、しめじに椎茸スライス。野菜しか入っていない。鶏南蛮や鴨南蛮、もしくは肉南蛮といった、動物性タンパク質は一切ない。つゆの中身は野菜のみ。まさにローフードと言えよう。肉が入っていないためにコクがなく、あっさりとしてしまう。それをココナッツオイルの油脂とカレーのスパイシーさで補う。新しいアプローチだ。できれば薬味にパクチーが欲しいところである。デトックスとしても用いられるハーブなのである。私の大好物でもある。

冬の北海道でパクチーは高望みだろうか。

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