北海道札幌市 時計台 ワイン メルティングポット

明朝に東京から札幌に向かうつもりだったのだが、翌朝の降雪で羽田空港が閉鎖され、欠航の可能性があったため、この日のうちに札幌に飛ぶことにした。

晩飯だ。ディナーだ。晩餐だ。さて、なにを食べようか。

ラーメンはパス。パスタもなあ。中華はいらない。蕎麦も…うーん。寿司、嫌だ。焼き鳥もなあ。なにを食えばいい?もうかれこれ40分は歩いてるぞ。なにか、こう、私に決定打を与える店はないのか?

ふと、目に入った看板に目を引かれた。

牛のはらみのグリル。それとワイン。加えてパクチー豆腐。おでんと焼き鳥はどうでもいい。これだ、私が求めるものだ。躊躇なく店のドアを開ける。カウンター席に座る。さあ、メニューを持てい!

お通し揚げごぼうだ。意外にもホクホクしていて、揚げチップではない。旨味がぎゅっと詰まっている。ゴマの風味も効いて美味い。やるな。

さあ、パクチー豆腐はどうだ?島豆腐にゴマと油淋鶏に似た甘辛タレをかけたもの。なかなか合うな。

腹が減ったので三種のチーズリゾットに自家製ぬか漬け。ビールを飲み終えたので、お勧めのさっぱりとした白ワイン、セニォリオ デ オルガスをオーダーする。

食べながらも、昼間の記者会見の余韻で仕事のメッセージがバンバン飛んでくる。落ち着いて食事ができなかったのが、一段落。ほっと落ち着いた時に、店内のBGMがビッグバンドだと気づいた。

トイレは店の外だがビルの中にある。温水洗浄便座だ。トイレから戻る時に迷って、別の店に入るところだった。

ぬか漬けもなかなか。人参はエグミが全くない。きゅうりはうちの方がうまいかな。全体的に浅漬けだ。これに塩気の効いた、コクのある芳醇な香りのチーズリゾットがマッチする。コメの炊き具合がなかなか絶妙。個人的には胡椒が欲しいので、ブラックペッパーをたっぷりかけてもらい、一口。胡椒の香りが鼻を抜けて塩気が和らぐ感じがする。ここにぬか漬けのくせに水々しいピクルスを食べると美味い!

ワインはドメーヌアルノーシャルドネ。先ほどよりも、さらにさっぱりした白ワインだ。これは箸が、いやスプーンが進む。うん、胡椒は偉大だ。その昔、こいつを巡って戦争が起きたのも理解できなくはない。私が為政者なら独占しますよ、そりゃ。うまいと言うことは、富を生みますから。今風に言えば仮想通貨みたいなものですよ。

肉を食いに来たはずが、リゾットで腹いっぱい、でもないか。腹六分目。肉は無理。「ワインに合うポテトサラダ」とやらを頼む。普通のとなにが違うのか見せてみろや、このやろう!

ポテサラは確かにワインと合う。舌触りが滑らかだ。クリームチーズが入ってるのではないだろうか。葉野菜にかかっている、酸味の効いたフレンチドレッシングと相まって、なまらうまい。リゾットにも合う。ワインにも合う。

締めは赤ワイン。肉を食べに入ったこの店で肉を食わずじまい。店一番の人気という、牛はらみのグリルに惹かれて店に入ったと言うのになんたる失態。認めたくないものだな、空腹ゆえの過ちというのは。

次回は肉を食ってやる。

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