野菜たっぷりサラダ

札幌駅 居酒屋かっぽうぎ 野菜たっぷりサラダと唐揚げ

札幌駅前ラビリンス

札幌は人口190万を数える、東京以北では最大の都市である。その中心部、札幌駅の周辺ならば相当数の飲食店があるので、食事には困らないだろう。数年前まではそう思っていた。

しかし事実は異なる。

サツエキこと札幌駅の周辺の飲食店は、まずは地下街、そして駅ナカ、次いで駅ビルの百貨店に出店する飲食店が続く。これらの特徴は、ほとんどの店が21時で営業を終えるのである。駅前のビルもその傾向は変わらない。

つまり、20時半を回ると、この辺りでの飲食は選択肢は極端に狭まるのである。遅くまで華やかなのはススキノである。未明まで空いている店も少なくない。しかし、札幌駅前のホテルに宿泊しているのに、たかがメシを食うためだけにススキノに行くのは面倒くさい。過去にも仕方なく、スープカレーを食べるためだけに、夜のススキノにタクシーで出かけてことがある。

時間の無駄だ。

少し足を伸ばして、敷島ビルや赤レンガなども巡ってが、食指が動かない。カレーや坦々麺は食べたくないし、レタス鍋の店は満席であった。水炊きなら博多で食べる。ASTY地下街も全滅だ。ようやく駅ナカのタイ料理店にたどり着いたが、ハイボールがデュワーズのために、私が入店拒否である。

札幌市民であれば、私が夕食を求めてどれほど徘徊したのか、おそらく推察できるであろう。

ホテルを出てすでに50分が経過していた。事態はすでにウォーキングの次元に突入している。これなら最初から地下鉄で大通かススキノに行けばよかったと思えど、すでに後に引くことはできない。前進するしかないのである。私は再びASTYに向かった。地上にも店があったはずである。

あった。ここだ。この際、角ハイボールが飲めればどこでも構わない。投げやりな気持ちで暖簾をくぐった。

おふくろの味 かっぽうぎ

暖簾をくぐる前にメニューをチェック。小料理屋風の料理が並ぶが、あくまでもここは居酒屋である。一人客に妙齢のおかみさんが声をかけてくることなど、ありえないと心しなければならない。

二階へと続く階段を上ると、再び掲示されたメニューが目に入る。

左側に入口はあった。

店に入ると「お帰りなさい」と声をかけられ、カウンターに案内される。おしぼりが出される。

一人でも飲み放題。札幌では珍しくない。カウンターの上には、なんたら食堂のような調味料のラインナップである。あの、全国に展開する、羽釜でご飯を炊くセルフスタイルの店だ。

メニュー

さて、何を食べようか。メニューを見る。

品数はさほど多くないが、とりあえずはメシが食えそうだ。いくつかの品を注文した。

おふくろの味…なのだろうか?

野菜たっぷりサラダがおしゃれ。おふくろの味ではない。ルッコラ、まめ、さつま芋レモン煮、玉ねぎ、紫花豆、サニーレタス、グリーンレタス、オリーブ、トレビス、ブロッコリー、カリフラワー、プチトマト、塩昆布、チーズも載っている。お通しの枝豆とのギャップが激しい。本格的な洋風サラダ。BGMは演歌。なんなんだ、この組み合わせは?さっぱりしたドレッシングもいい。ときおり鼻を抜ける黒胡椒の香りがたまらない。

唐揚げは揚げたて。580円で六個入り。なかなかのボリュームである。肉も柔らかくてジューシーで味付けよく美味い。酒に合う。サラダに合う。付け合わせはレモンのみ。野菜は一切ない。ガチで単品だ。うちのお袋なら絶対に野菜をつける。私なら付け合わせどころか、別添でたっぷり野菜だ。肉料理にサラダはセットが当然です。そう、トンカツ屋と同じと思えば良い。糖質制限のせいなのか、育ち盛りの子供扱いなのか分からんが、ハイボールだけがすすむすすむ。

角ハイなのにグラスはニッカ。あるあるである。飲み放題のためか薄め。いや、薄めがいい。唐揚げボリュームありすぎ。さすがに飽きてきた。てか、食べ疲れてきた。

カウンターの右端に座る一人客は芸能人らしい。おかみさんと話をしている。大泉洋は大先輩だと話している。僕が北海道出身ってみんな知らないと言っている。もちろん、私は知る由もなし。今日、大阪から来たと話している。なんだか押しの強そうなキャラだ。前に来た時はかぼちゃがうまかった、すごく美味くて感心したというもの店員は全く覚えておらず。サンデージャポンに出てるらしい。

誰だ?

その男性はお会計をして先に出ていった。だから、誰よ?

謎を残したまま、なんとか唐揚げをやっつけて私も店を出ることにした。腹も膨れた。酒も今日はこれで十分だ。ホテルに戻って、シャワーを浴びて寝よう。明日は午後から長い会議なのだ。

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