BOSSAカレー

札幌市 狸小路 スープカレー ソウルストア BOSSAカレー

ソウルストア

二日酔いの朝、岩見沢から特急で札幌へ。駅で立ち食いそばを食べてからホテルにチェックインするやいなや惰眠をむさぼった。二時間ほどで目が覚めた。現在時刻は13時半。さて、何を食べようかのう。やはりカレーか?カレーなのか?スープカレー、行っちゃいますか?ネットで検索するとすぐ近くに良さげな店を見つけてしまった。身支度をして早速向かってみる。

これか。

店の前に立っていると、通りがかりの地元民らしき若者らが、店を見て言った。

「ここ、すげえ美味いです。」

ほう、ならば入ろうではないか。階段を上ると店の入口がある。

さて、何を食べようか。ネットで見たところらチキン+BOSSAスープ・3辛を食べている人が多いように感じた。紅茶豚と舞茸のカレーにも惹かれるが、ここはオーソドックスにチキンカレーだ。

スープが選べる。クラシック、女性人気ナンバーワンのBOSSA、これか。自家製麻辣醬というのもある。辛さは3辛までが無料。市販のカレーの辛口程度と説明がある。酒でやられた胃に激辛はキツイな。3辛で十分だ。ご飯の量は普通。茶碗一杯強と書いてある。

メニューはオーダーすると下げられてしまった。

店内には無料WiFiもある。BGMの穏やかな洋楽ポップスが流れる。

BOSSAカレー

ユニークなデザインの皿とボウルに入れられて、そいつは運ばれてきた。どんぶりから天を目指すかのようにはみ出ているのはごぼうである。チキンよりも存在感がある。これでカレーを混ぜるのだろうかと錯覚しなくもない。まずはスープを飲んでみる。ダブルの出汁だろうか。

飾り程度にしか見えなかった水菜が意外にもカレーと相性が良い。人参が甘い。えぐみがない。柔らかい。他にもどんぶりの中にはゴロゴロと野菜が転がっている。ご飯は麦飯である。麦とろじゃあるまいし、なにか意図が隠されているのだろうか。

ピーマンはシャクシャク。素揚げのナスは甘い。キャベツも蒸してあるのだろうか。これはさつまいも?恐ろしく甘い。スープが野菜によく絡む。辛さが甘みを引き立てる。こうして口の中に広がった様々なエッセンスを吸着し、絡めとり、まろやかに変換する触媒のごとく、麦飯が味わいをクロージングしていく。

しっかりと揚げられたゴボウの天ぷらは柔らかく、ホクホクで甘い。衣の甘さがごぼうをさらに引き立てる。チキンは骨がすっと抜けるほどよく煮込まれている。鳥肉自体に味付けはない。カレーがよく染みる。噛めば噛むほど肉の旨味がにじみ出てくる。野菜やルーと一緒に食べると、口の中で味わいのハーモニーを奏で出す。

店内の壁には必要最低限の装飾しかない。温水洗浄便座のトイレも同様だ。求人の張り紙しかない。メニューやら写真やらは一切ない。

まさに、シンプルイズベスト。こだわりを感じる。

頭から汗が吹き出てきた。汗腺からアルコールが抜けることはないのだが、それでも気持ちいいものである。

私には少々ご飯が少ないか。女性客が多いからなのか、これなら中盛りにすればよかった。若い男性ならば大盛りにしないと満足できないだろう。

だが、満足だ。

BOSSAスープ。BOSSA NOVAでボサノバ。音楽では「他とは違った独特な質感」を表す言葉として使われていたらしい。他の店とは一線を画す、オンリーワンを追求した一品と言うことだろうか。次回はなにを食べようか、楽しみである。

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