再び長崎へ
前日は気がつけば午前三時前まで呑んでいた。楽しい時間はあっという間に過ぎるので要注意だ。朝は目覚ましのサウンドで飛び起きた。亜蘭知子のrelax、イントロのベースで目覚めた時間は7時45分。きっと朝は起きれないと酔っ払った頭で考えてセットしたのだろう。まったく覚えていない。そういえば、知人は泥酔して帰宅したのちに、アラームが鳴る目覚まし時計をキッチンで洗っていたそうだ。
本来であれば長崎空港まで飛ぶべきであるが、金曜日を休めば四連休のためなのか、春休みが始まるからなのか、飛行機は満席ばかりだ。長崎便は予約できず、比較的空いている佐賀便に乗るしかなかったのだ。八時半に社宅を出て、長崎到着は十五時半。七時間半の旅だ。これでも新幹線に乗るよりは二時間ほど早く着くのだ。
羽田空港を離陸したANA 981便は、雲の上を九州に向かう。プレミアムクラスなので簡単な朝食が出た。これは助かる。佐賀空港に着陸するのは正午。バスで佐賀駅に着くのが十三時頃。ここでランチは必然である。
ハンバーグが売りの店 うふふ
佐賀駅前バスターミナルでバスから降りると、食事の店を探した。駅前にはラーメン店しかない。駅ナカの三軒から店を選ぶしかない。うどんかトンカツか洋食だ。揚げ物は避けたかったし、朝にカップうどんを食べたので、消去法で洋食店となった。百五十種類ものパフェがイチオシらしい。
店内に入るとテーブル席に案内された。
メニュー
さて、何を食べようか。ハンバーグ&特選和牛スライスをチョイス。オリジナルソースは照り焼きソース、ジャポネは和風ソースとのことだ。オリジナルソースを指定したが、和風にすればよかったかと後悔が頭をよぎる。
細かいことは気にしない。過ぎたことは考えない。前向きに行こう。Aセットを指定したところ、ランチタイムなので50円でライスもサラダもスープも付くという。油が跳ねるのでエプロンをするようにとアドバイスを受ける。
ハンバーグ&特選和牛スライス
さて、ハンバーグが来るまでの間に受け入れ態勢を整えなければならない。テーブル上の説明書を読む。鉄板に肉を焼くスペースを作り、ハンバーグを半分に切ったら、断面を焼く。ソースを上からかける。ま、なんとかなるだろう。
まずはサラダとスープが運ばれてきた。コース料理であれば、先に食べるのがルールだろうが、私はどれも一緒に味わいたい。ハンバーグが来るまで、食べずに待つのだ。
ジュージューと音を立てながらそいつは運ばれてきた。あつあつの鉄板から油が跳ね散っている。これは落ち着くまで、待たなければならない。エプロンを装着しておいて、正解なのだ。
熱々の油が飛び散る鉄板に手を入れてソースを取り出すのは不可能だ。野菜とビーフスライスを少し寄せれば、肉を焼くのに十分なスペースが出現した。ハンバーグにナイフを入れる。肉汁が溢れる。これを転がし、マニュアル通りに断面を鉄板で焼く。
ハンバーグとビーフスライスにオリジナルソースを豪快にかける。鉄板はだいぶ落ち着いたのか、さほど音もせず、ソースが跳ねることもなかった。
まずはポタージュをいただく。口当たりなめらか。コーンの甘みとつぶつぶの食感がいい。サラダは酸味の効いた、さっぱりとしたオニオンドレッシングとシャキシャキのサニーレタスの相性がバッチリ。みずみずしくてうまい。
さて、ラスボスだ。しっかりとこねられたハンバーグは、口の中で噛むたびにほろほろと崩れ溶けていく。甘いタレは少し苦手だな。
醤油が欲しくなる。
しかし、ビーフスライスと付け合わせの野菜は、このソースとの相性がいい。
胡椒が欲しくなる。
中濃ソースとトマトケチャップを混ぜたハンバーグソースは、合挽肉のハンバーグとは相性がいい。このスッキリしたオリジナルソースは、牛肉とのマッチングが良好だ。挽肉にありがちな臭みやクセがまったく感じられない。素直で自然な味がするハンバーグである。食べ終えた鉄板にもアクがほとんど見られない。
うふふ。ふざけたネーミングの店だが、味はしっかりしている。会計は現金かSuicaしか使えない。キャッシュレスの時代にSuicaのみ対応という姿勢が気骨を感じさせるというもの。とは言うものの、パフェを食べに来ることはないだろう。
さて、長崎に向かおう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)