小金太 ラーメン

天文館 ラーメン小金太 鹿児島ラーメンを味わう

隣人同士は仲が悪い

鹿児島市の繁華街、天文館。ここで飲むのは二度目だ。前回は2年前の夏だった。摂氏三十一度の炎天下でおっさんどもがサッカーをするという、自殺行為のような大会がこの地で開催された。私はスパイクを持っていないのでずっと日陰にいたが、それでも相当暑かった。

隣人とは仲が悪いというが、鹿児島と沖縄、薩摩と琉球の歴史は複雑だ。歴史を知ることは大事なことだが、歴史から学ぶことは未来を創造するためであり、同じ過ちを繰り返さないことであり、決して先祖の遺恨や怨讐を忘れないためではないと思う。そんなことをしていたら子供たちが未来に進めない。

平家と源氏だって平成になって和解した。まあこれはイベントみたいなものだろうけど、それぞれの末裔の方達には大事なことだったと思う。今時、鹿児島人と会津人が互いをどうこう言うこともないだろう。百年経っても後ろしか見ることができない人はかわいそうだと私は思う。これに比べれば群馬と栃木、茨城の仲の悪さなんて…(笑)

天文館の夜を楽しむ

翻って今回は真冬だ。とはいえ南国鹿児島はそれほど寒くない。もちろん沖縄に比べればはるかに寒いが、埼玉で育った私には心地よい気温だ。長かった昼の会議と懇親会が終わると、ホテルで着替えて二次会の居酒屋に向かった。

ホテルから天文館に向かう途中で変わった建物を見つけた。地元の人は見慣れてるのだろう。写真を撮ったり建物を眺めてるのは私しかいない。シャッターには「殺し屋参上」と殴り書かれている。シロアリ駆除の会社のようだ。沖縄でもシロアリの被害は甚大だ。シロアリ駆除で繁華街に自社ビルを建てられるのだから鹿児島でも困っている人が多いのだろう。

懇親会でそこそこ食べたので居酒屋ではどうしても食べたかったキビナゴの刺身を頼んだ。美しい。彩りも銀色に光る皮も美しいのに盛りつけがまた芸術的だ。これを酢味噌につけて食べるのが鹿児島流だと昔「美味しんぼ」で読んだ記憶がある。その上、私はもともと青魚の刺身が好きなので、箸が進んでしまうのだった。

二次会も盛り上がり、せっかくなので鹿児島の女性と一緒に軽く呑んでから、締めにラーメンに行くことした。同行者は3名。私は女性とラーメンが希望だ。一人は女性はいいけどラーメンはいいよという。もう一人は女性もラーメンもいいよという。

近くにオススメの店があるというので、知人の後を3人でついて行く。まだ一人が渋っている。ビルを抜け、洒落たドアを開けるとそこには非日常の空間だ。しかし満席。残念。次の店に行く。今度は席が空いていた。3人とも店に入る。黒糖焼酎があるというのでオーダーする。なんだかんだ言って二人とも楽しそうだった。私も楽しく呑んだ。

ラーメン小金太

そしてラーメン。こちらも3人で店に向かった。沖縄では一緒に飲んだことがない、これからも地元で飲むことはないだろうメンツだ。目的地は「小金太(こきんた)」。地元鹿児島人オススメの店だ。天文館のはずれに位置するその店は、あまり人影のない場所にたたずんでいたが、店内は満員。

幸いすぐにカウンターに座ることができた。ラーメンと餃子。注文の基本形であり、ゴールデンコンビでもある。さすがに一人一枚は多いので、3人で二枚を注文した。

鹿児島ラーメン

話しているうちにラーメンが運ばれてきた。スープをすする。豚骨ベースなのにあっさりしている。鶏ガラや魚介も入っているようだ。麺はストレート細麺だが博多ラーメンのような細さではない。ちぢれ麺の細麺をストレートにしたような感じだ。食感も独特で弾力がある。

スープの中にキャベツがたっぷり入っている。麺と一緒に食べることでシャキシャキとした食感を楽しむことができる。チャーシューが小ぶりなので食べやすい。お、餃子が、出てきた。普通に美味い。本音を言えば、ラーメンの味は覚えているが、餃子の味は覚えていない。美味かったことだけ覚えている。

翌日、空港に行くと売店で売っていた。本当に有名店なのだな。あの繁盛ぶりも理解できる。このまま家に帰るのなら土産に買うところなのだが、出張はまだ終わらない。私は羽田便に乗り込み鹿児島を後にした。

ラーメン小金太

住所:鹿児島県鹿児島市樋之口町11−5 北村ビル
電話:099-223-9455
営業時間:昼11:30~15:00 夜18:00~04:30
定休日:不定休

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