エトアール しじみラーメン

島根県 出雲市駅 ラーメン エトアール

蕎麦屋とラーメン店が共同経営

昨晩食べた「ほしえん」は出雲そばの店なのにラーメンがすごくうまそうだった。市井の出前をしてくれる蕎麦屋さんではメニューにうどんもラーメンもあって「同じ鍋で茹でてます。」などとアレルギーが気になる人に但し書きがしてあることも少なくない。

だが、ここは本場「出雲蕎麦」の地であり、手打ちそばを出す店だ。そんな店がラーメンを同じ鍋で茹でているとは思えないし、そもそもラーメンを出す必要がないのではないのか。このナゾを解く鍵は手元にあった「出雲ナイトマップ」に記されていた。

ラーメンと出雲そばの関係は解決したものの、私は新たな謎に直面した。

「美人OLくしなだ姫」ってなに?

この絵柄はOL進化論の秋月りすではないのか?調べてみると「くしなだ姫」は櫛名田比売。八岐大蛇の生贄にされた女性だ。彼女をスサノオが救って結婚したのだった。だがこのOLは現代女性だ。ネットで調べても何も出てこなかった。いつか出雲の人間を問い詰めてみよう。

日本には何箇所かしじみが有名な土地がある。青森県五所川原、十三湖。ストーブ列車でも有名なところだ。二日酔いにはしじみの味噌汁を飲むと言う。もう一つが宍道湖である。調べてみると他にも北海道の網走湖やガルパンで有名な茨城県大洗の湖沼も産地だとのことだが知らなかった。

五所川原にも何回か訪れたことがある。海の幸に恵まれた「立佞武多(たちねぷた)」で有名な町だ。ここからの帰り、青森空港で食べたしじみラーメンは美味かった。調子に乗ってしじみの身をすべてほぐしスープに投入したところ、苦くなってしまった。じじみラーメンを食べるときは身は食べないか、そのまま食べるかよ二択だという経験はここから得たものだ。人間は失敗を経験しながら学習し成長していく。例外は酒の飲み方だけだ。人によっては女性経験やギャンブルも学習できないようだが、金もなく小心者の私には縁がない話だ。

島根ワイナリーで懇親戦

出雲大社にほど近い場所にある出雲ワイナリーはバーベキュー施設でもある。ここが今夜のバトルフィールドだ。敵は出雲市民百名あまり。こちらは全国から集まった精鋭二百名だ。横看板には本当に「懇親戦」と書いてある。冗談ではなかったのか。

BBQ用の前掛けは油避けではなくプロテクターだと敵がのたまう。しかも敵は農薬噴霧器を二基に増強している。ワイナリーの周りには何もなく逃げ場はない。陸の孤島だ。その上にだ、ここはワイナリーのはずだ!なぜ日本酒が置いてあるのだ?そう、答えは分かっている。

出雲だからさ。

半ば観念して、自分が被害に遭うよりも誰かを盾にして逃れようと、自己中心的な作戦を取ることにする。世の中はうまくいかないものだ。あっさりと捕まり日本酒を強制注入された。もうヤケだ。赤ワイン持ってこい!

気がつけば二時間が過ぎ、戦闘終了を告げる声が響いた。戦場には静寂が戻る。ここからはノーサイドだ。この後は街中のスナックだ。敵も市街戦では装備を使うことができない。こうなれば数に勝る我々のものだ。どこがノーサイドなのだ(笑)

さらに2時間後、敵の大将を討ち取った画像がLINEで流れてきた。うむ、よくやった(涙)

ラーメン エトアール

この辺りから記憶がおぼろげだ。誰かとラーメンを食おうと言う話になり、私がしじみラーメンを食べようと言って店に来たことは覚えている。誰と食べたのか、一切記憶がない。

店の外には蕎麦とラーメンののぼり、入口の上にも蕎麦とラーメンの二つの看板がある。店に入り、昨日と同じテーブルの同じ席に私は座った。昨晩もしじみラーメンを食べようと試みたが、真椎さんが「蕎麦屋では蕎麦を食べるものだ。」とベロベロながらも正論を言うので、割子蕎麦にした経緯がある。だが、今なら言える。

「真椎さん、ここはラーメン屋でもあるのだよ。」

そう、私は「出雲蕎麦ほしえん」に来たのではない。ラーメン「エトアール」に来たのだ。

昼間に出雲市駅の土産店で、しじみラーメンが売っているのを見かけた。味噌味だった。いやいやいやいや、しじみなら塩味でしょう。徳島の鯛ラーメンだって塩だった。醤油まであった。確か十年以上前に幡ヶ谷に豚骨魚介ハマグリ出汁ラーメンなんてのがあった気がしたが、まだあるのだろうか。

しじみラーメン

しじみラーメン、もちろん塩味を頼む。ここからまた記憶があまりない。

スープはしじみの香り豊かにあっさりしていて、飲み過ぎた胃に染み込んでいったことは覚えている。麺も少し柔らかめで、これがうまくスープをまとっていたことも記憶にある。青森で得た教訓から、しじみを一粒ずつ食べたことも、口に感触が残っている。780円を払って、細かい金がなかったこともだ。だが、それだけだ。あとは何も覚えていない。

翌朝眼が覚めると、カバンに何かが入っていた。そうだ、真椎さんのジャケットを預かったのだった。誰から預かったのかすら覚えていない。道を歩いていたら、誰かに「真椎さんが店にジャケットを忘れていったけど、どうしたらいいですか?」と相談されて、同じホテルだから持っていくよ、と答えた気がする。

慌てて真椎さんに電話する。

「今どこ?」
「米子。」

手遅れだったか。

仕方ない、空港から宅急便で送ろう。出雲大社に行くつもりだったが、そんな体調ではない。出雲には三回来ているが、一度も参拝したことがない。次回は11月末だ。今度は懇親戦の前に参拝に行こう。そうしないといつまでも行けそうにない。

でもなぁ…

出雲イヤだ。

ラーメン エトアール(まいぷれ)

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