はも落とし

大阪駅 ガード下 大阪屋 ~ディープな大阪~

今晩の打ち上げはどこで行うのか。台風が来ているから、外の天気はよくはない。雨に当たるのもいやだから、梅田駅近くがいい。皆、この辺りに宿泊している。駅から一番離れているのは私だ。ホテルが大阪駅南口なのだ。まあ、離れているとは言っても、地下街を歩けばいいのだから、雨に当たる心配はない。

さて、どこで飲もうか?

ネットで検索する。駅のすぐ近くに「大阪屋」を見つける。地元民の金本さんに尋ねる。彼はスマホを操作すると、一枚の画像を見せた。

「これですわ。先月、飲んだんですわ。」

ディープだ。朝7時から飲める店だけはある。こういうのもいいんでないかい?一旦、解散し、19時に店で待ち合わせすることになった。もちろん、予約済みだ。

ホテルに荷物を置くと、梅田飲食街を少し歩いてから、大阪屋に向かった。

予約名を告げると二階に通された。少し早かったかな。誰も来ていない。店の一番奥の個室を案内されるが、予約席ではまだ団体客が飲んでいた。女子会だろうか。話を聴いていると、元気というか、荒いというか、あまりお近づきになりたくないタイプだ。言葉遣いも乱暴だ。模試だの実習だの言ってるので、教育学部の大学生のようだ。

私は教師という人種が大嫌いだ。

その話は別の機会にするとして、しばらくして、女子会どもは帰りやがった。

個室にひとり、とり残された僕。

誰もこない。道に迷っているらしい。じゃあ、ひとり予行演習といこう。さて、何を食べようか。

黄色い紙に書かれたメニュー。

黄緑の紙に書かれたメニュー。

普通の紙に書かれたメニュー。深夜食堂に出てきそうな料理が山ほどあるような。さすが大阪。どれにするか迷ってしまう。あ、金本さんが来た。続いて親会社の役員である一石さんも来た。あ、先月から私も親会社に移籍したんだった。

役者が揃ったところでおすすめメニューの登場だ。これは嬉しい。泉州水ナスに活ハモちり、サワラは食べたいところだ。

まずはヘルシーに豆腐サラダだ。花かつおがふわふわで、飛んでいきそうだ。どこでも食べられると言えばそうなのだが、やはり、豆腐を食べると安心する。体に優しい食材なのだ。野菜もシャキシャキでハシが進む。

水なすの舌触りはシルクのように滑らかだ。みずみずしい、しゃくっとした食感がたまらない。噛めばじゅわーっと水分があふれてくるほどジューシーな野菜。え?初めて食べる?そうか、沖縄では食べられないもんな。どうぞ、どうぞ。

大阪に来たら、これを食わなあかんがな。粉もんちゃうで、とん平焼きや。豚肉と玉子の組み合わせや。ヘルシーやで、糖質制限にもええんやで。店によって、ぜんぜんちゃうがな、安定のうまさなんや。

さわらの焼き霜つくり。タタキだ。さわらを刺身で食べるのは、岡山を中心とした、西日本の文化だ。しかし、何を食っても美味いな。さすが天下の台所、立ち飲みの居酒屋でこのレベル。東京では高くて不味い居酒屋のなんと多いことか。見てくれだけよくても、中身のない人間はすぐに相手にされなくなるのと同じだ。

ハモだ。沖縄でも食べられる店はあるのだが、やはり本場は消費量が違う。少なくとも、沖縄の居酒屋でハモが出ることはあり得ない。酢味噌と梅わさびの二つの味を楽しめるが、私は梅わさび派だ。淡泊な味に歯ごたえのある弾力をもったハモの身に、薬味をつけて食べる。

ああ、幸せだ。日本酒が飲みたくなるが、我慢だ。

これまた、大阪に来るとなぜか食べたくなる、チャンジャ巻き。関西には在日朝鮮人が多いからだろうか。焼き肉もキムチも東京より安くて美味い。多くの店も、高級志向ではなく、庶民志向だ。それにチャンジャ。15年以上前になるか、仕事でたびたびソウルに行っていた。そこで美味しいキムチの店を教わり買って帰った。特にチャンジャが絶品だった。

トイレに向かう。なんだこれ?大阪らしいな。痛っ!トイレの天井が低くて頭をぶつけた。

どて焼きだ。中身はイカにこんにゃくとネギだ。これも大阪ならではの味。なかなか美味い。酒が進むなあ。

あつあつの天ぷらをつゆでいただく。さっくさくだねぇ。美味い、美味い。

ラストはニンニク丸揚げなのだ。グリシンを摂らなくては、血圧が下がらないのだ。ほくほくで美味いのだ。

お腹いっぱいだ。天気はどうなってるだろうか。とりあえず、店を出ましょう。階段が急なので、気をつけて。

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