とんかつ かつくら
本日のランチも伊丹空港だ。昨日、学習したので、移動はスムーズだ。もちろん目的地も心に決めていた。
今日こそ、トンカツなのだ。
メニュー
11時半だと言うのに、レストラン街はそこそこ混んでいる。行列ができている店もある。幸いトンカツ店にはすんなり入れた。テーブル席に案内される。メニューを確認。カキフライや湯葉カツもいいのだが、私は王道を行きたい。
そう、ロースカツだ。上州豚と選べるとあるが、関西で群馬の肉を食べる気にはならぬ。ノーマルでいい。普通の肉を食べてこそ、店のレベルがわかると言うものだ。
すりごまと作法
注文を済ますとほどなくしてゴマの入ったすり鉢が出てきた。
「当店の食べ方はごぞんじでしょうか?」
みたいなことを聞かれた。初めて訪れた店だ。知るわけがない。だが、私は存じてますと答えた。いわゆる「知ったかぶり。」である。別に店員である若い女性の前でええかっこしーしたいわけではない。半世紀も生きていれば、この手の店の作法くらい、想像がつくわ、この小娘が!ふはははははははははは!
ゴマをする。いい香りが立ち上ってくる。すりたてはいいなあ。我が家でもやってみようか。ゴマを擦り終えると、あっさりとしたとんかつソースと濃口ソースをブレンドする。これが私流なのだ。初めて入る店で味見もせずに、二種混合。ワクチンみたいだが、トンカツの話である。無謀に思う人もいるだろう。私は惑わされない。世の常識にとらわれた固定観念など、犬にでも食わせればいい。
などと思いつつ、小心者の私は不安になり、味見してみる。うーむ、濃口ソースが足りない。追加投入し、よく混ぜる。再び確認。ふむ、よろしい。あっさり対こってりを一対一が基本なのに、濃口を躊躇した分だけ物足りなかった。さらにカラシを投入。いちいちトンカツにつけるのは面倒なので、ソースに混ぜるのが私流なのである。
うむ。
これでカツの受け入れ態勢は万全だ。
京都の店だけあって、漬物がうまい。しば漬け風の私好みの味なのだ。
ロースカツ膳160ぐらむ
若い娘がお盆に載った定食一式を私の前に置いた。白味噌仕立ての味噌汁の底には、風味付けのカラシが入っているので、よく混ぜてから食べるようにアドバイスされるのだが、箸で底をさらっても、それらしきものが見当たらない。
トンカツは真ん中の一つだけが横倒しにされている。肉質を確かめろと言わんばかりだ。自信があると言うわけだな。
まずはキャベツにゆずトレッシングをかける。トロッとしたドレッシングは、私好みの極薄キャベツスライスによく絡む。ゆずの香りがいい。これは箸が進む。
とんかつにソースをたっぷりとつける。衣は薄くてサクサク、食感は軽い。カリカリではない。衣に包まれた雲白肉のごとき豚ロースこらは肉の旨みがにじみ出る。脂の甘みが口に広がる。肉本体は柔らかく、脂の旨味をしっかりと感じ取れる。ソースが素材の邪魔をしない。うん、とんかつはやはりロースだ。ヒレもいいのだが、私にはさっぱりしすぎである。脂の旨味と肉の旨味の両方をとんかつで堪能するなら豚ロースに限るのだ。
とは言え、正直に言えば、個人的にはもう少し肉にジューシーさが欲しいところではある。
おかわりキャベツ
ここでキャベツがなくなった。お代わりだ。千切りの入ったカゴを腕から下げたスタッフがやってきてキャベツをさらに置く。再びドレッシングをかける。カツを食らう。
そして完食。とりあえず満足。ボリュームも満足。肉質は少し不満足。
ラウンジで仕事しよう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)