我が家の夏休み
妻がパートで働くために、けいたまが保育園に通うことになった。慣らし保育に2ヶ月かかって、今年の初めからパート勤めを始めた妻の、初めての休みだ。今までも何度かパートを休んではいたが、そのすべてが本人、もしくはけいたまの体調不良によるものであり、妻とこうやって二人きりでのんびり過ごすのは数年ぶりのことだと思う。
昨晩、けいたまが眠ってから、明日のお昼は何を食べようか、妻と協議した。私はちゃんぽんを主張した。私の人生で一番美味かったちゃんぽんは、一日橋のチャンピオンというマシン屋(パチンコ屋のこと)のレストランだ。ご飯の上の野菜炒めの絶妙な塩加減。その上を覆う半熟玉子の技巧的な火加減。付け合わせの福神漬けが、さらに食欲をそそるのだ。
だいぶ前にチャンピオンからベガス・ベガスに店が変わってしまい、それに伴ってかレストランも味がまったく変わってしまった。あのチャンポンの面影など一欠片もない、普通のチャンポンだ。それ以来、いくつかの店でチャンポンを食べたが、いまだ美味しいと思う店に出会っていない。
あれだけ熱く二人でチャンポン談義をしたというのに、翌朝を迎えたら、二人とも沖縄市のタイ料理店に行こうと言い出した。まさに舌の根も乾かぬうちに、である。この無計画、無節操、思いつき、行き当たりばったりがけいたま夫婦の共通項だ。なんの問題もない。
妻が運転する車に乗って、私がナビで目的地をセットした時に、まさかの事態が起きた。スマホに表示されたのは「本日定休日」の文字。仕方がない。同じ沖縄市内のタイ料理店を検索し、新たに目的地を設定した。
高速で沖縄南インターを目指す。観光客が多いせいか、いつもより車も多いように感じる。インターを降りると県道85号線を北に進む。ほどなく側道に入り、交差点を右折するとゲート通りを胡屋交差点に向かう。突きあたりが嘉手納基地のゲートなので「ゲート通り」なのだ。交差点の手前で左折してコザの街中に入る。人通りはほとんどない。よくわからない建物が目に入る。
さらに300メートルほど進んだ先の右手が目的地だ。ちょうど左手に駐車場がある。車を入れる。料金所にの貼り紙が気になる。
We will close at 13,14,15,16 on August.
駐車場は空いてるし、料金所に人もいる。貼り紙について尋ねると、これは向かいのタイ料理店のものだと言う。
ここも休みか?!
仕方がない、商店街をしばしうろつく。飲食店は沖縄そば屋くらいしかない。足立屋を見つける。牧志公設市場の近くにあるせんべろの店だ。沖縄市にも進出しているのか。もちろん、那覇の店のようにモーニングなどやっていない。閉まっている。結局、見つけたのはペルー料理の店だった。
南米料理に舌鼓を打つ
店内は落ち着いた感じ。女性のグループばかりだ。日差しの強い外を歩く人はほとんどいない。お、男性3人組が店に入ってくる。一人は女性だ。南米っぽい顔をしている。どうやら常連さんらしい。ママが笑いながら席に案内する。女性が話す言葉はまったく理解できない。おそらくスペイン語だ。いや、スペイン語だった。続いて、地元のウチナンチューの家族連れが訪れた。
さて、メニューだ。何を食べるか妻と協議。
- アラスコンボヨとハーフチキン
- セココンフレホーレス
の2つを注文。
コンボセットはチチャモラーダ。紫トウモロコシから作った飲料とのことだが、甘くてほのかに酸っぱいフルーツの味だ。懐かしい味だ。スープはセロリの卵スープ。
今度はご主人が白人、奥さんが黒人、娘さんがお母さん似の家族連れが入ってきた。国際的だ。
さらに地元客がどんどん入ってくる。気がつけば店内はほぼ満席だ。
セココンフレホーレスは炒め物と豆のペースト、それにご飯を混ぜて食べる。美味い。パンチはないがマイルドな味わい。香辛料の味はそれほどしない。素材の味が生かされてるのか。素朴だ。ほっとする味だ。ミックスベジタブルの量が多くないか?と気にはなるが、まあ、いいだろう。
アラスコンポヨはターメリックとコリアンダーの効いたライスにチキンを合わせて食べる。チキンが美味い。ローストか?中華でも岡山市の喜上昇で食べるチキンと食感は似ているが味がちがう。クミンだろうか。塩も効いている。とにかく柔らかい。
ふと、目の前の緑色のドレッシング?何に使うのか店員に尋ねる。
「辛いソースですよ。チキンにとても合います!」
なるほど、ハラペーニョか。チキンにソースをマスタードの感覚でたっぷりかけてみる。
「味見しなくて大丈夫?」
妻が心配するが、多分、大丈夫。根拠はない。フォークにチキンを刺して、口に運ぶ。一気に食べる。
美味い!
これはライスが欲しくなる。
美味い!
またチキンだ。
これにチチャモラーダがこれまたよく合う。チキンとライスの無限ループだ。これはたまらん。妻とチキンを分け合って完食。
トイレは和式にリフォームトイレを設置して洋式にしてある。なので温水洗浄便座ではない。
タイ料理は食べれなかったが、そのおかげで新しい味と出会うことができた。沖縄は小さな街でも、国際色豊かな食に出会うことができるのが魅力だ。
次に妻と食べに来れるのはいつだろうか。楽しみはたまにあるから大事にできる。こうして妻との久々のデートを楽しんだ。この後、けいたまが発熱して保育園から電話があり、慌てて迎えに行くことになったのだった。
ペルー料理 チチカカ(食べログ)
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)