喜上昇
岡山市に来たら、私はこの店で食事をしなければ気が済まない。その名は「喜上昇(きじょうしょう)」最初に食べに連れてこられたのが四年前。ここに連れてきた笹木氏と、なぜか二人で店にいた、らしい。
なぜならあまり記憶がないのだ。
この店で食べなければならないのは、空芯菜炒めと鳥の燻製だと、笹木氏は常々語っている。確かに美味い。しかし、この店の料理は中華ではない。中国料理だ。日本人の舌のことなど一切考えていない料理がいくつもあるのだ。
それが私の好物なのだ。
メニュー
三年前だろうか。三重県の伊賀市に行った時のこと、飲んだ締めに地元民である上山さんが、深夜まで開いている中華の店だ連れて行ってくれた。メニューを見て驚いた。
中国語の菜単(メニュー)があるではないか。あお!日本ではなかなか食べられない料理がいろいろあるぞ。あれも食べたい、これも食べよう。
頼みすぎたかな。
「なんじゃ、こりゃ?」
「これ、食いもんか?」
料理が来てから、なんだか周りが言っていたが、酔ってるから無視だ。いや、なかなか美味い。いいなあ。幸せだ。
後日、上山氏が言っていた。
「地元の店なのに、見たことない料理がたくさん出てきて、驚きましたよ!」
そうだろう、そうだろう。多くの日本人は本当の中国料理をまだ知らない。
ピーナッツ炒め
で、この店。お通しは炒めたピーナッツ。中国では一般的だ。美味い。塩加減もいい。
空心菜炒め
この店の定番だ。まさに油と強火で野菜の旨味を限界まで引き上げた料理。ニンニクが効いて美味。野菜嫌いの人でも食べれるんじゃないだろうか。
餃子
この店では食べたことがないかもしれない。うむ、皮は厚めでもちもち。中身はジューシーだ。酒が進むな。
鳥の燻製 半身
そんで、メインディッシュだ。主菜だ。シンコ焼きとも違う、独特の香りがたまらない。鶏肉がホクホクで柔らかく、燻した香りが口の中に広がる。軽く噛んだだけで肉はホロホロと崩れ、口の中に溶けていく。
見た目のボリュームとは裏腹に、どんどんと胃の中に消えていく。タンパク質ですから。糖質制限食ですから。いくら食っても血糖値など上がらぬわ!(※そんなことはない。)
ごちそうさま
あれ?笹木氏寝てるし。この餃子どうするの?私一人では食べられないよ。
おーい。
置いて帰ろうかな。あ、起きた。餃子どうする?食えない?私もだよ。
注文するときは、食べきれる量だけにしましょう。
数年前に五十路となったバツイチ男性。昨日は沖縄、今日は北海道、明日は四国…出張三昧の日々、三年間で制覇した店は千店舗を超えた。日本全国及び海外での食事を記録したブログである。五十路とは本来「五十歳」を意味するが、現代社会では「50代」と誤った認識が定着している。それにあやかりブログのタイトルを名付けた。(詳しく読む…)