ダイニング簾 しめ鯖

北海道帯広市 帯広駅 ダイニング簾(すだれ)

なまらイイべさ

帯広市にやってきた。とりあえず今晩は予定がない。久しぶりにひとりでのんびりなのだが、せっかく帯広に来たのだから、誰かと会いたいなあ。いつもとはちがう顔はいないものかと考えていたら、ひとり、頭に浮かんだ。

和佳だ。かずよし、ではない。わか、だ。キップのいい、なかなかさっぱりとした性格のねーさんなのだ。おまけに呑兵衛だ。沖縄では何度か呑んでいるが、彼女は帯広市民だ。

まさに千載一遇とはこのこと!

早速、連絡を取ってみる。

「今晩おヒマ?」

すぐに連絡が来た。明日は運動会なので、軽くなら付き合えると言う。そう、彼女は看護師でもあり、主婦でもあるのだ。そして、このブログの読者でもある。職場はナースステーションである。(もちろん本物の病院です。)

この投稿とは関係ありません。

店のチョイスもお願いする。彼女から送られてきたのは二択だった。慎重に審議して、一方を選択した。この店は地元でもなかなか予約が取れないとのことだ。待ち合わせ時刻は19時。それまでに髪を切ろう。

帯広駅 ダイニング 簾

外は土砂降りだ。傘をさしてもかなり濡れる。ホテルの近くの理髪店に入る。髪を切り、髭を剃って完了だ。この前髪を切ったのは大阪だ。顔剃りをしてもらえなかった。その前は岡山だ。念入りに顔そりされて、しばらく顔が痛かった。

理髪店を出てダイニング簾を目指す。あ、あそこか。店の看板が見えたあたりで、和佳からメッセージが届いた。

「先に呑んでます。」

五分も待てないんかーい!まあいい、私でも飲むだろう。店に入ると、和佳がカウンターでビールを飲んでいた。となりに座り、私もビールを頼んで乾杯だ。

こちの薄造り

さて、何を食べようか。この店を選んだ理由は海鮮だ。魚だ。ならば、刺身から入るのが道理というもの。こちの薄造りをいただこうではないか。久しぶりに食べる。

最初の結婚前のことだ。当時、付き合っていた彼女と伊豆の戸田(へだ)に行き、船を借りて釣りをした。キスでも釣れればいいかと思っていたら、すごい引き。周りの船も寄ってきた。

「これはでかいぞ!」

誰かが叫ぶ。

「たも(網)はないのか?!」

遊びで来てるのに、持ってるわけなかろうもん。

時間をかけて、ようやくそいつは姿を見せた。50センチはあるコチだ。こんなに大きいのは初めて見た。私も興奮して、竿を引き上げた!

あれ?

針が外れた…のではない。針の先には半分かじられたキスが釣れていた。コチはコイツをかじっていただけだ。

「あーあ、デカかったなあ。」

ギャラリーの一人がつぶやくと、周りの船は私から離れていった。

なんなんだよ?!

薄造り、美味い。青春の味だ。

水ナスお造り

続いては水ナス。私の大好物だ。和佳は初めて食べると言う。みずみずしくて甘い。薬味がアクセントだ。夏野菜が嬉しいねえ。

刺し盛、山菜天ぷら、しめ鯖

刺し盛り。言わずもがな。ああ、北海道はいいねえ。

タラの芽とウドの天ぷら。山菜独特の香りが口の中に広がっては鼻に抜ける。この季節に食べられるのも北海道ならでは。

大好きなしめ鯖。刺身にしか見えないような、浅く締めた鯖がたまらない。食べれば分かる。しめ鯖なのだと。しばらくぶりに美味いのを食べた。日本酒欲しい。酔うから控えるが、もう少し若ければのお。

ししゃも、謎の天ぷら、握り鮨

ししゃも。美味かったと思う。この辺りから記憶が怪しい。

天ぷら。記憶にない。食べたのだろう、記録に残っているのだから。

締めの寿司。食べた気がする。最後には和佳とアンパンマンについて一時間ほど語っていた気がする。久しぶりに会って、いろんな話をした。とても楽しく過ごすことができた。

23時。閉店の時間だ。外には和佳のご主人が車で迎えに来ていた。仲睦まじい夫婦だな。た雨の中、走り去る車を見送ると、ホテルに戻った。服を脱ぐと、そのままベッドに倒れ込んでいた。

帯広は山の幸にも海の幸にも農産物にも恵まれたところだ。ぜひとも違う季節に店を訪れたい。

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