紅虎餃子房 ランチ

那覇市泉崎 紅虎餃子房 よくばりコンビセット

紅虎餃子房の思い出

あれからどれくらい過ぎたのだろうか。二十年くらい経ったのだろう。初めて紅虎餃子房を訪れたのは渋谷店だった。文化大革命時代のデザインを取り入れた、斬新な内装と本格的な味わいで話題になっていた。

その頃、テレビでこの店の社長の話を聞いた記憶がある。いや、雑誌のインタビュー記事だったろうか。中国のレストランで食事をし、これはという味に出会うと調理人を口説いて日本に連れてきたと言っていた。大雑把な中国人が調理をすると味が安定しなかったりする。指導するとこう言い返される。

「差不多。」(チャーブドー、大差ないの意味)

すると社長も言い返す。

「お前の給料も差不多でいいか?」

そうするとキッチリと調理するようになったんだとか。

当時は渋谷区内でソフトウェア開発の会社を経営していた。確か、会社の健康診断で渋谷のどこかに行った。社員の中国人と二人だった。歩きながら帰りに紅虎餃子房でランチを食べようと話した。その時の私の発音が間違っていて、水餃子を食べようと言ったはずが、睡眠を食べるになっていた。

水餃(シュイジャオ)水饺 shuǐjiǎo
睡覚(シュイジャオ)睡觉 shuìjiào

カタカナで書くと同じだが、中国語は発音で意味がまったく変わる。発音を間違えれば、蟹は靴になってしまう。そんな話をしながら駅まで歩き、紅虎餃子房に入った。鉄鍋棒餃子が流行り始めた頃だと思う。キッチリと包むのではなく、単に皮で巻いただけの餃子は、作るのが簡単な上に見た目もインパクトがある。

結論を言うと、私の口には合わなかった。本場の味を期待していた中国人も落胆していた。二十年前だ。いくら「本場」を売りにしても、ガチで本場の味が日本で受け入れられるには早過ぎたのだろう。それが私や中国人には物足らなかったのだ。以来、紅虎餃子房には行っていない。

紅虎餃子房 泉崎店

月に一度の定例会。いつもは夕方から始まり、そのまま懇親会という流れなのだが、今月は色々と事業が重なって忙しいとのことで、午前中の会議となった。終わればランチタイムだ。取引先の部長が提案してきた。

「今日のランチはインスタ映えのする店にしましょう。」

手にはチラシを持っている。スパイシーマウンテンチキンカツカレー。見た目にはすごいインパクトだ。この辺りにそのようなカレー屋さんがあっただろうか。店の名前を見て驚いた。

紅虎餃子房。

中華の店だ。それが何故にカレー?訳がわからないので、数十年ぶりに行ってみることにした。

店内は白を基調とした落ち着いた感じだ。奥のテーブル席に案内される。

壁には赤い虎。私には悪趣味に感じる。

メニュー

日替わりは豚肉と野菜の黒酢炒めである。どんな料理なのか、イマイチ想像できない。

さて、何を食べようか。部長はカレーだからいいとして、私は「よくばりコンビセット」にしようか。麻婆豆腐と油淋鶏を選ぶ。後の二人は日替わりだという。

よくばりコンビセット

やってきましたコンビセット。あれ?なんだか二品ともイメージと違う。麻婆豆腐にかかっている粉末はいいのだが、なんでこんなにとろみがついているのだろうか。もろに既製品のようではないか。油淋鶏もおかしい。

まあいい。食べてみよう。麻婆豆腐は激辛。汗よりも鼻水が出てくる。ここでカレーが登場。インスタ映えを期待して大盛りを頼んだ部長は、一人で食べきれないからと周りに勧める。メニューには超大辛口と書かれていた。麻婆豆腐でこの辛さだ。カレーはさぞ…あれ?辛くない。麻婆豆腐が辛すぎるのか、食べ続けてから激辛カレーを食べても辛く感じない。

たまごスープはオーソドックスな味。

油淋鶏は見た目の通りだ。なんちゃってだ。これではただの唐揚げ甘酢サラダじゃないか。メニューを開発したやつは中国料理を一から勉強し直せと言いたい。ご飯は硬めに炊かれていて美味い。

日替わり定食

豚肉と野菜の黒酢炒めは真っ黒だ。はたして美味しいのか、見た目で食べる気にもならない。

スパイシーマウンテンチキンカツカレー

カツカレーの肉は柔らかい。カレーもルーがトロッとした和風ではなく、たくさんのスパイスを刻んだしゃりしゃりした感じのエスニック風で好みだ。

とにかく辛いものばかり。水が足りない。ゴクゴク飲む。何杯も飲む。汗が出る。何の罰ゲームなのか。

総括

ふー、疲れた。やはり私はこの店とは相性が悪い。二度と行かない。沖縄にまともな中華料理の店はないのだろうか。久しぶりに西屋に行ってみたくなったのだった。

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